宴
※本話に出てくる液体はお酒ではなく
それに似たポーションです
未成年飲酒はやめましょう
スバルがその手腕をふるい、
脳筋帝国のギルドハウスには、豪華な料理がずらりと並んでいた。
ギルドメンバーとクラスメイトたちは、大規模な食事会を楽しんでいた。
「ふぅ、こんなに作ったのは初めてだな」
「スバルは脳筋の癖によくやるよね」
「なんだよ理沙。料理が出来ねぇ嫌味か?それとバカってなんだよ」
「あっ、心の声が」
「なんだそれ」
「理沙、心の声」
「ハハハ、面白い面白い」
スバルと理沙はしばらく談笑していた。
食事会が盛り上がってきた頃、
ギルドハウスの一角でさらに大きな盛り上がりが起こっていた。
そこでは状態異常:ほろ酔いになっている参加者たちが、腕相撲に興じていた。
(なんだぁ?楽しそうなことやってんじゃねぇか)
「おい理沙、少しあそこ見てくる」
「はーい、いってらー」
スバルが集団に近づくと、べギルやクロノスたちが腕相撲をしていた。
『お、スバルじゃん、いいとこきたなぁ』
「お、おう、酔ってるのか?
一応未成年だってことわかってんのか?元の世界ならアウトだぞ」
「某の情報網からすれば、ゲーム特有のアルコールなくても酔う事ができる。
厳密に言えば酒では無いのであるぞ」
「まぁ、そうじゃなければアウトだよ、アウト」
「そう言わずにスバルも飲んでみろよ」
「まぁ、いいか……」
スバルは麦芽水を口に流し込んだ。
(ふむ……本物の味知らんが……あまり美味くは無いな)
「で?本物もこんな味なのか?」
「おう、結構味も似てるぜ」
「そうなのか……」
「◎△$♪×¥●&%#」
「おいおい、呂律が回ってねえぞ」
「▲☆=¥!>♂×&◎♯£!」
「あー、はいはい、そうですね〜」
「あんちゃん慣れてんな」
「なに、親父がな、大酒飲みの癖に酒には弱えんだ」
「なるほどな、と言う割にはスバルはよく飲むな」
「まぁ、雰囲気的には飲まねぇとな。別に水でいいんだが」
「そうだ、とっておきのもんを買ってきたんだ……」
べギルが取り出したのは、箱に並んだ真っ赤な実だった。
「これはよ、設定上アルコール成分が大量に含まれてんだとよ。
さらに言えばこれを潰した時の液体一滴で状態異常:泥酔になるんだとよ」
(これは使えるな……戦略が広がりそうだ)
スバルは何を血迷ったのか、その実を口に放り込んだ。
「お、おい!何してんだスバル!」
「これは……美味いな」
「……なんともないのか?おかしいな……」
べギルもその実を食らってみた。
「確かに美……」
「べギルさん!?」
「お、おい、どうしたんだ」
べギルは白目を向いたまま泡を吹きながら前のめりに倒れた。
「スバル、彼状態異常:泥酔だってよ?」
「まさか本当にそうなるとはな。ん?なら俺はなんで倒れない?」
「なんでかしらね?彼はお酒に強かったのよ」
イヅキの話では、しばらく前からAWOで
情報共有がてら飲み会を度々開いていたらしい。
その中で一度もべギルは酔った素振りを見せず、
いつもイヅキがダウンして終わるのだそうだ。
リアル世界の特徴が強く影響するこの世界では、
状態異常:酔いになるまでの時間なども含まれる。
転生初期時にそれぞれ違った職業が現れたのも、これが影響している。
「なら俺は酒に強いってことか。あんま嬉しくねぇな」
「まあ、スバルがしっかりお酒を飲まないから、
お酒に強いことが分からなかったのよ」
「まぁ、そうなるか。だがしかし、これは戦略が大きく広げられるな」
スバルはこの実を使った戦略を色々考えた。
(いや、後で詳しく考えるか。今はこっちがメインだもんな)
外を見れば既に暗くなっていて、ログアウトするギルメンも現れ始めていた。
「そろそろお開きにしておくか」
「えー、もー?まだいいじゃーん」
「理沙まで酔ってんのかよ……いや、俺以外が酔ってんのか」
数時間も飲み続け平気なスバルが異常なのである。
「はぁ、置手紙のこしておくか」
~起きたらやることやって寝ろ
ちなみに作者はまだ飲んだことがないので
描写があっているとは思わないでほしいです
それと、念を押しておきますが未成年での飲酒は
体に悪いです。少量だからいい、そんなことはありませんので
大人になってからお酒は楽しみましょう
(本作品にはお酒はだしません
それに似たポーションです
ご理解ご協力をお願いします)
最新 2025/08/24




