スキルと防具は慎重に
異世界での戦闘を終えた守春は、まず情報整理を始めた。
(ひとまず掲示板でも見るか)
掲示板は、プレイヤーたちが情報を共有する場であり、
スキルやクエストの発生条件、運営のイベント告知なども記載されている。
守春の目的は 格闘スキルの取得。
(よさそうなのは…メテオストライクと激烈拳か)
- メテオストライク:洞窟のメテオライトを砕くことで取得できる広範囲攻撃。
- 激烈拳:追尾機能があり、素早さの低い守春にはありがたいスキル。
(よし、じゃあメテオストライクからにするか)
しかし、東へ向かう前に あることに気づく。
(そういえば…装備がまだないんだった)
現在の服装は 「ぼろぼろの衣服」 に変わっている。
これではまともな戦闘はできない。
剣と盾の装飾が施された小さな店へ足を踏み入れる。
「邪魔しまーす」
『あら、いらっしゃい。今日はどうしたの?』
店主は茶色い髪で、静かにコーヒーを飲んでいそうな雰囲気の女性だった。
「装備の値段を聞きに来た」
『量産品なら最低でも銀貨20枚ね』
店内には剣士や魔法使い向けの装備が並ぶ。
「オーダーメイドはできるか?」
『素材の持ち込みありなら金貨1枚、なしなら金貨10枚よ』
守春は考えた末、オーダーメイドを依頼することにした。
「アシッドフロッグ系と角ウサギ系で作れるか?」
『えぇ、できるわ。でも素材が必要ね。』
必要な素材は――
アシッドフロッグの足 × 100
毒 × 300
角ウサギの角 × 100
好きな魔物の魔石 × 10個
「好きな魔物の魔石?」
『えぇ、魔石は装備の効果に影響するわ。
速さが欲しいなら素早い魔物の魔石、HPが欲しいなら耐久系の魔石を選ぶのがいいわよ』
守春は 角ウサギの魔石 を選ぶ。
『角ウサギだと速さ重視になるけどいい?』
「それで頼む」
さらに、守春は 大ウサギの角 を渡す。
『これはいらないわよ?』
「いま金がなくてな、それを換金すれば5万ゴールドくらいにはなるだろう」
『そう…なら受け取るわ。武器の方で2万ゴールド分お返しするわね
あっちの樽の中に私の実験...もとい試しに作った装備を二万円で販売しているわ』
樽の中を漁ると、薄い手袋のようなもの を発見する。
(これは…【素手喧嘩】《ステゴロ》?)
-素手喧嘩
攻撃力 +300、破壊不可付き。
失敗作とは思えない性能だった。
(こんなもの作れるって…イヅキ、相当な腕じゃないか?)
イヅキが工房から戻ってくる。
『良さそうなものは見つかった?』
「これでいいか?」
『それは失敗作よ?特殊効果も何もない装備になってしまったもの』
「じゃあ、これをもらうよ」
『……まぁ、あなたがいいならそれでいいわ』
そして、イヅキが完成した防具を持ってくる。
紫一色に染まった鎧。
その姿は、まるで 異世界の戦士にふさわしい装備 だった――。
受験シーズンに入ったので投稿頻度遅れます
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2025/06/06




