力の差Ⅱ 誰かのために
英雄の育成所の子供たちが退場し、場に残ったのは三組。
停止状態のクラスメイトたち、その前に立つスバル、そして不良組。
スバルは、仲間の盾となるように立ち塞がっていた。
「さて、騒がしい奴等が消えたんだ。少し、話でもしないか?」
『……』
「少しくらい話してもいいんじゃないか?」
『……わかった』
(おっ、ようやく心を開いてくれたか)
口を開いたのは飯田 智だった。
『……あの時は、お前に仕返しするために金を稼いでたんだ……』
木田は、スバルに敗北した日から、
より強い武器と防具を求めて動き始めた。
ギルドの依頼やクエストで地道に稼いでいたが、
ある日、【大金が稼げる仕事がある】という誘いを受けた。
依頼内容は、ダンジョン攻略――単純なものに見えた。
だがそれは罠だった。
男女は分断され、男子は閉じ込められ、女子――鈴木阿奈は襲われた。
その後、「手を出されたくなければ、育成所に協力しろ」と脅され、今に至る。
(ふむ、育成所の奴等はハッカーがいるしな
……確かに非力なものは断れないか)
「うん、現状はわかった。だったらよ、俺の庇護下に入れば守れるぞ」
『ふん!誰がお前なんかに!』
その反発を遮るように、鈴木阿奈が声を上げた。
『…お願い!スバル!私、もう匠君たちに迷惑かけたくないの!』
(…ん?それじゃあ俺に迷惑かけるのは良いのかよ)
「…いいのか?木田の方がつるみやすいだろ?」
『いい…でも、匠君たちも一緒でいい?』
「俺は良いが…木田は納得してない気がするんだがな…」
スバルの言葉通り、木田の額には青筋が浮かび、怒気を込めて叫んだ。
『てめぇに、一騎打ちを申しこむ!』
辺りを沈黙が支配した。
「いいだろう。後悔するなよ?」
スバルは、売られた喧嘩は必ず買う。
それが彼の流儀――つまりは、戦闘の開始である。
次回こそ、本当に力の差です
大変お待たせしてすいません
最新 2025/08/24




