力の差 奇妙な共闘
英雄の育成所と不良グループが結託し、打倒スバルを掲げて戦いを挑んできた。
スバルは右手を前に突き出し、クイックイッと挑発。最大限の煽り顔で敵を見下ろす。
『チッ、うぜぇなクソが、さっさと死にやがれ!剛力の太刀 粉砕Ⅱ!』
『木田!いちいち挑発に乗るな!強靭な狂人‼』
「おいおい、ガキどもは参加しねぇのかぁ?こいつ等じゃ、俺に届かねぇぞ?」
『うっさい!あんたたち!やっちゃいなさい!』
『オーダー、バインド!』
『あいつに効かないって言ってるでしょ!』
『違うし!あいつの後ろにいるやつだし!』
「チッ、今回はハンデがあんのかよ…
おい!肉だるま!あいつらにてぇださせんな!」
木田はスバルの言葉に反応せず、黙々と攻撃を続けていた。
(クソッ、雫石でも間に合うかどうか…)
スバルがクラスメイトの方へ顔を向けると、
視界がスローになっていくように感じた。
『スバル!こっちは気にすんな!こっちはこっt……』
クラスメイトたちは、一人残らず動かなくなった。
(…あれ?死なないだと?…あ、バインドじゃねぇか)
「くそっ、守り切れなかった…」
『アハハハハ!どうよ!げんたの力は!アハハハハ!』
「…なんてな、こいつがまだ蠢いている。つまりは助かるってことだしな」
スバルが「こいつ」と呼んだのは、魔王の大剣。
その刃が微かに震えていた。
『なら、キルしちゃえばいいじゃない!近喜!』
『オーダー キルオール‼』
「お前らがくれた機会だ、しっかり守らせてもらうぜ」
『ちょっと!何してんのよ!』
「さて、少々ビビりはしたが、
こうなっちまえばこっちのもんだ。
さぁ、どっからでもかかってきやがれ!」
少し大人気ないようにも見えるが、
それだけのことを目の前の連中はしてきたのだ。
(さて、雫石、雫石っと…あぁ、あったあった)
スバルは雫石を装備し、育成所の子供たちと木田たち不良組に切りかかった。
『うぎゃあ!』
『ぴぎゃあ!』
『痛てぇな、なにしやがんだ!』
スバルの攻撃は、育成所の子供たちには有効だった。
だが、木田たちには効果が薄い。
(おっと、これは予想外。まぁ、そうか。こいつらは俺と同じ異世界人だもんな)
「さて、ガキどもが消えたんだ。第二ラウンドにいこうじゃねぇか」
『上等だクソ野郎』
育成所の子供たちが消えたことで、
不良組 VS スバル――因縁の対決が、今始まろうとしていた。
申し訳ない、ご都合主義展開にしてしまった
次回、因縁の対決 力の差Ⅱ
最新 2025/08/24




