71 衝撃の事実
今回はハスミのお手柄でもあったので、好きなだけスリスリさせてやる。
3人が並ぶとおっぱいが山脈のように連なっていて、それはもう壮観だった。
しかもはしゃいで暴れているので、不静脈の心電図のようにばるんばるん揺れている。
まるで今の俺の鼓動が、彼女たちのおっぱいを通じて出力されているかのような光景。
最高のお宝映像がまた、スマホに記録されてしまった。
ひと心地ついたハスミに、俺は声をかけてやる。
「今日はよくやってくれた。その調子でこれからも頼むぞ」
「それってなあに? 女の子たちのおっぱいを揺らしてあげたこと? それとも、朝の電話のこと?」
「どっちもだ」
「そう。でも危なかったわね。まさかフリュンヌがあんな人前で、魅了を使ってくるだなんて思わなかったわ」
「お前たち淫魔は、人前じゃ魅了を使わないのか?」
「当たり前じゃない。モンスターに知識のある人に見られたら、すぐにバレちゃうもの」
「じゃあヤツはそれだけ、追いつめられてたってことか。でもサンバ衣装があったおかげで助かったよ」
ハスミが「サンバ衣装?」と不思議そうな顔をする。
俺はサンバ衣装に、『魅了抵抗』の特殊効果があったことを教えてやった。
するとハスミは、思いも寄らぬ反応を見せる。
「いいえ、ご主人様のお嫁さんはたしかに、フリュンヌの魅了に掛かっていたわよ」
「なんだと? どういうことだ?」
「『魅了抵抗』っていうのは、魅了を完全に防げるわけじゃなくて、掛かる確率を下げてくれるだけなの。私もステージを観てたんだけど、ふたりとも抵抗できてなかったわよ」
淫魔であるハスミがそう言うのなら、間違いないのかもしれない。
「そう言えば、フリュンヌの眼光を浴びた嫁たちの瞳から光が消えてたな。アレが魅了に掛かってたってことか?」
「そう。でもすぐに瞳の光は戻ってたでしょう? お嫁さんたちは自力で魅了を解いてみせたのよ」
「そうだったのか……」
俺は、ユズリハとキャルルを見やる。
ふたりはパイプ椅子に座って、仲良くコーラを飲んでいるところだった。
ユズリハはコーラを飲むのは初めてだったのか、「お口の中で爆ぜました!?」と目を白黒させている。
「アイツらって、そんなスゴイ力を持ってたのか……。俺ももっと頑張って、アイツらに相応しい男にならなくちゃな……」
俺は感心するあまり、思わず本音をつぶやいてしまった。
「相応しい男?」とハスミが反応する。
「ああ。アイツらが本当に好きになってくれるような、立派な男になりたいんだ」
するとハスミから、悩ましげな溜息をつかれてしまった。
「ハァ……なにを言っているの。あの子たちが魅了を解くことができたのは、ご主人様のことが本当に好きだったからなのよ」
「へ?」
「昨日、ユズちゃんを初めて見たとき、私は恋に落ちたの。いつもだったらすぐに魅了して、お持ち帰りしていたところよ。でもそれをしなかったのは、あの子の心はご主人様のことでいっぱいで、魅了が入り込む隙が全く無かったからなの」
「う……うそ……だろ?」




