表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/72

50 禁断の領域

 俺のアパートの台所は、かつてないほどのエロゾーンと化していた。


 ふたりの女子高生が、ハダカ同然の衣装でいるってだけでも、マズいってのに……。

 押し倒されたように床に伏し、頭のてっぺんから足の爪先まで、全身を白濁液まみれにしているだなんて……!


 白濁液は元は牛乳と卵が合わさったモノなので、妙に粘り気がある。

 少女たちの肢体から糸を引くようにしたたり落ちる様は、美しき蝶たちを絡め取る蜘蛛の糸のようだった。



「いたたた……と、とりまユズっち、大丈夫……?」



「は、はい……。キャルルさんこそ、お怪我はございませんか……? すみません、わたくしがうっかりしていたばかりに……」



 ふたりとも、前髪からドロッとしたものが垂れてきて、目頭に落ちていた。

 瞬きするたびに長い睫毛が糸を引き、目もロクに開けていられない状況だというのに、真っ先にお互いのことを心配している。


 俺はこんな時だというのに、エロい子……。

 いや、いい子たちだなぁ、なんて思ってしまった。



「ううっ、口の中にまで入っちゃった……口の中までドロドロだし……」



「はい、わたくしも、です……」



 ふたりは口の中のモノを吐き出すのだろうと、俺は思った。

 しかし予想に反し、彼女たちは天を仰ぎ、瞼をきつく閉じると、



 ……ごっくん……!



 細い喉を鳴らして、飲み下したっ……!?



 「うぇぇ、まっずぅ……」と舌を出すキャルル。

 口の端と顎から、ぽたりぽたりと白い雫をしたたらせている。


 「とっても濃かったですね……」と、手で上品に口を押えるユズリハ。

 しかし手のひらもベトベトだったのか、手を離すとニチャアと鼻先が糸を引いた。


 吐き出そうとせずに、飲み込むだなんて……。

 ふたりとも、食べ物を粗末にしないんだな。


 俺はこんな時だというのに、エロい子……。

 いや、いい子たちだなぁ、なんて思ってしまった。


 すると彼女たちは、さらに信じられない行動に出る。



「もったいないから、とりま身体についた分だけでもなめちゃおう」



「はい、そうですね。はしたないですけれど、食べ物を粗末にするのは、もっといけないことですから」



 なんと、手のひらに残っていた濁液を、まるで手のひらの上に出されたのを、飲……。

 い、いやいや、皿の上のミルクを飲む子猫みたいに、ピチャピチャやりだした……!


 そしてとうとう、禁断の領域へ……!



「あ、ユズっち、ほっぺたにいっぱい付いてるっしょ。とりま、舐めてあげるし」



「えっ? あっ、そんな……! く、くすぐったいです!」



 ぺろり……! とユズリハの頬を、キャルルが舐めたっ……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ