表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/72

04 はじめてのカップ麺

 『飯ガチャ』でカップ麺を引き当てた俺。


 ユズリハは初めて見るみたいに珍しがっていたが、たぶんこれは演技なのではないかと思う。

 だって今時、カップ麺を知らないだなんて、どんな人間だよ。


 マンガとかに出てくるような、とんでもないお嬢様とか……。


 もしかしてユズリハその、トンデモお嬢様だったりするんだろうか。

 いやいや、そんなわけはない。なんでいいとこのお嬢様がガチャで出てくるんだよ。


 そんなことはさておき、カップ麺を食べよう。

 ちょうど腹が減ってたんだ。


 玄関近くにある台所でお湯を沸かそうとしたら、ユズリハが「わたくしがやります」と言ってくれたので、任せることにする。

 でも彼女はガスコンロの使い方を知らず、結局俺が教えることになった。


 ヤカンのお湯を、ふたつのカップ麺に注いで3分待つ。

 できあがったひとつをユズリハに渡すと、



「えっ? わたくしも、いただいてよろしいのですか?」



「ああ。2個あるってことは、そういうことだろ」



「あ……ありがとうございますっ!」



 たかが数百円のカップ麺だろうに、指輪でも貰ったみたいに感激するユズリハ。

 演技とはわかっているものの……可愛いすぎる。


 ユズリハは両手を合わせて「ごちそうになります」と俺に一礼、そしてカップ麺に向かって「いただきます」とまた一礼。

 バカ丁寧な挨拶をして、箸ですくいあげた数本の麺を、音もたてずにするりと口に運んでいた。


 次の瞬間、新鮮な驚きを見せる赤ちゃんのように、カッと目を見開く。

 それでも、お嬢様は自制心を働かせ、口を手でサッと覆い隠すと、



「お……おいしいですっ! とっても! かっぷらぁめんさんて、こんなにおいしいものだったのですね!」



「そうか、よかったな」



 俺はあしらうように適当な返事をしていたが、内心はドッキドキだった。

 演技とは、わかっていても……可愛いすぎだろうがよぉぉ!


 俺は気のないフリを装いつつ、カップ麺をズルズルとすする。

 食事中はスマホを見る癖があるので、つい手に取ってみる。


 『人生ガチャ』の画面には、先ほど引いたカップ麺の説明が表示されていた。

 そこには、



『ラキスケ発生率+80%』



 そういえばさっき、玄関でユズリハのパンチラを見たときも、『ラキスケ』とか表示されてたな。

 『ラキスケ』って、いったい何なんだ……?


 などと考えているうちに、食べ終わってしまった。

 ユズリハお嬢様は、カップ麺のスープまで、全部飲み干すと……。



「はぁぁ、大変結構なお手前でございました……!」



 幸せいっぱいの表情で、まるで茶道のようなコメントを残す。


 その後、彼女はてきぱきと片付けをはじめた。

 カップ麺を運ぶために使ったトレイに、空になった容器と箸を戻す。


 そして、そのままトレイの取っ手を持って、立ち上がったのだが……。

 次の瞬間、またしても見てしまったんだ。


 しかも今度は、チラリではなかった。


 ユズリハのスカートの裾は、なぜかトレイの間に挟まっていて……。

 そんな状態で、俺の目の前で立ち上がったものだから……。


 完全に、たくし上げ状態になった。


 そのため、全面が初雪に覆われた、逆さ富士のような……。

 まばゆい白さの、黄金三角が……!


 モロにっ……! これでもかと……!


 しかも俺はあぐらをかいて座っていて、彼女は立っていたので……。


 パンツと目が合ってしまったと錯覚するほどの、ちょうどいい高さにあった。

 しかも温もりが伝わってきそうなほどの間近に、JKのソレが……。


 しかも、中身つきで……!


 そのうえ、本人はまだ気付いていない。

 固まる俺を、キョトンとした顔で覗き込んでいる。


 直後、スマホが反応した。

 ハッと画面を見やると、そこには……。



 『チャレンジ達成! ラキスケで、嫁のパンモロを見た』

 『パワーアップガチャチケット 1枚ゲット!』



 それで俺は、ようやく気付いた。


 ラキスケって、もしかして……。

 『ラッキースケベ』……!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ