27 ハーレム王降臨
ハスミによくよく話を聞いてみたら、どうやら彼女は女の子専門の淫魔らしかった。
いまユズリハにしているように、社内の女子社員に頬ずりして精気を補充していたとのこと。
そういえば学生時代のハスミは、ふざけて女子に頬ずりしていたが、男子には絶対やらなかった。
というか、男には身体すらロクに触らせなかったような気がする。
現在の彼女は、ほっぺをリンゴのようにしながら、俺に言った。
「男の人にはあんまり興味はないんだけど、私はあなたのペットになっちゃったから、何をしてもいいわよ。おっぱいくらいだったら、いつでも触らせてあげる」
するとなぜかユズリハが「おぱっ!?」と変な悲鳴をあげる。
彼女はほっぺだけでなく、顔全体がリンゴのようになっていた。
……ピロリン!
またスマホから通知が届く、そこには、
『ミッション発生!』
やれやれ、またミッションか。
今度はなんだ?
『ミッション:権化堂マートに潜むモンスターを1匹探し出せ!』
『権化堂マート』……ということは、この『権化堂マート支社』ではなくて、スーパーマーケットの方なのかな?
説明画面には、ミッション対象のモンスターがいるのであろう、『権化堂マート』の地図が表示されていた。
なんだ、このビルの隣にある店舗じゃないか。
さっそく行ってみることにしたのだが、
「おいハスミ、これから隣の権化堂マートに行くんだが、お前もいっしょに来い」
ハスミは「いいわよ」とすんなりオッケーしてくれた。
彼女を連れて行こうと思った理由はふたつ。
まず、彼女自身がモンスターなので、モンスタ-を探す手助けになるかと思ったからだ。
そして、もうひとつの理由は……。
……俺はユズリハとハスミを引きつれ、女子トイレを出た。
廊下を塞ぐように、三人横並びになって歩く。
真ん中は俺で、左側がユズリハで、右側がハスミ。
そして俺はふたりと肩を組んでいた。
こうやって、女をはべらせて歩くのが夢だったんだ。
こうしてると、まるで王様みたいじゃね?
平和な社内に突如として出現した『ハーレム王』。
鉢合わせた社員たちは、まさに王を前にした平民のように、顔に驚きを張り付かせる。
そして彼らはみな、サッと廊下の壁際に張り付くようにして、道を譲ってくれた。
その反応に気を良くした俺は、さらに調子に乗る。
ハスミの肩にまわした右手で、制服のベストごしに、もんまりとした物体を撫でさすってみた。
ゴムマリが入っているかのような大きさのそれは、自在に形を変え、えもいわれぬ弾力を手のひらに返してくる。
ハスミは嫌がるかなと思ったが、「さっそくなんて、いけないご主人様ね」と艶っぽく微笑む。
彼女は、さらに密着するように、俺の腰に手を回してきた。
次々と道を明け渡していく男たちは、負け犬のように鳴いている。
「な、なんてヤツだ……! 肩を触っただけでもセクハラのご時世に、胸を触るだなんて……!」
「それも、我が社のマドンナの、ハスミ様の胸を……!」
「チクショウ、いいなぁ……! あんな可愛い女子高生を、彼女にしておきながら……!」
それで俺は、ユズリハのことを思い出す。
右手でハスミにオイタを続けながら、左手側を見ると……。
ユズリハは俺の手に、遠慮がちに両手を添えていて……。
巫女服ごしのふくらみに、導こうとしていたが……。
あと数センチのところでサッと遠ざけるという、よくわからない行為を繰り返していた。




