13 爽やかな目覚め
俺は次の日の朝、すがすがしい気持ちで目覚めた。
そりゃ、最高の目覚めにもなるさ。
だって、すごい夢を観たんだぜ?
聞いて呆れるなよ、ガチャを引いたら女子高生が家に来て、お嫁さんにしてくださいって言ったんだ。
それでいっしょにカップ麺を食べて、工場長を殴ったらモンスターで金一封をもらえたんだ。
晩飯はその子が作ってくれたスキヤキで、しかも最後は、キャンプでもないのにいっしょの寝袋で……!
ああ……!
あんなに荒唐無稽だったのに、あんなに現実な夢は初めてだったなぁ!
この夢の記憶があれば、少々辛いことがあっても、しばらくはがんばれ……。
と、俺の鼻腔を、慣れない香りがくすぐった。
いつもであれば朝起きて嗅ぐ匂いといえば、下水道の中にいるみたいな、すえた臭いだ。
それも慣れているんだが、どうやら嗅ぎすぎて鼻がバカになっちまったらしい。
さっきから、味噌汁のいい香りがする。
……トントントントン。
なにかを刻むようなリズミカルな音が、台所からする。
寝ぼけ眼で見やった先には、にわかには信じられないモノがあった。
なんと、スク水姿のポニテ女子高生の、後ろ姿っ……!?
「うおっ!?」と思わず飛び退くと、彼女は振り返った。
「あっ、旦那様。おはようございます。もうすぐ朝ごはんの支度が整いますので、もう少しだけお待ちいただけますか?」
……ゆ……。
夢じゃ、なかった……!?
小一時間後、テーブルには、夢の続きのような食事が並んでいた。
味噌汁、焼き魚、卵焼き、漬物、そしてヒジキの煮物やキンビラゴボウなどの小鉢。
まるで、旅館の朝食みたいだ……!
ほかほかのごはんを受け取った俺は、ユズリハに尋ねる。
「コレ、どうしたんだ?」
「はい、朝おきて玄関の前を見たら、お魚やお野菜、お味噌などが入った箱がありましたので、お料理に使わせていただきました」
それで思い出す。
そういえば朝方、枕元に置いておいたスマホが反応したので、半分寝ながらチェックしてみた。
そしたら『飯ガチャ』が出てたから引いてみたら、『レア:和の朝食セット』なるものが出たんだ。
昨晩のスキヤキと同じで材料が届いたから、ユズリハが調理してくれたってわけか。
言うまでもなく、ユズリハ手作りのごはんはうまかった。
ヒジキとかゴボウなんて食べたの、何年ぶりだろうか。
食後、ユズリハの淹れてくれたお茶を飲みながら、台所で後片付けをする彼女の後ろ姿を眺める。
……本人は、たぶん気付いてないんだろう。
スク水にエプロンをした後ろ姿というのが、どれほどエロいのかというのを。
形のよい肩甲骨から下にそって切れ上がった布地は、シミひとつない白い背中を丸出しにしている。
さらに視線を落とすと、布地はぷりんとしたお尻に食い込んでいて、ミルクプリンみたいな柔肉がはみ出している。
それが動く度に、ふるふると揺れるものだから……。
俺は波濤のような劣情と、怒濤のような後悔に苛まれていた。
……昨日の夜……。
ちゃんと、教えときゃよかった……!




