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フラガラッハ

「フラガラッハ!」


 呼んだら来るタイプの武器じゃないけど叫ぶのはご愛嬌。

 さて、これから中二がすることは、以前話した必殺技の一つ。


 フラガラッハと名付けた超小型魔力炉搭載型魔法分身剣やつを使ったやつだ。

 その名の通り、小型の魔力炉を刀身と柄の間に埋め込んでいて数多くの実体のある分身を作ることが出来る。


「なんだあれ……」


「剣が浮いてる、全てから魔力を感じるってことはあれ全部魔剣なの?」


「なっ……欲しい」


「ラルファが魔剣が多すぎて逆に静かになった⁉」


 皆驚いてるね。

 だけど、フラガラッハ自体に飛行能力はない。柄の先端の穴から伸びて、中二の手にぐるぐる巻にされた細いワイヤーから中二が直接操作しているんだ。


 実はこの必殺技は僕には出来ない。

 作ってからこの技がどういったものなのか気づいたんだ。

 この技って何機もラジコンを操作しながら敵と戦うのと同じだってことを。


 操作は一つにしか集中できないし、その間僕の動きは止まるしで散々な結果だった。

 だけどなぜか中二は練習したらこれが出来るようになった。

 彼が器用だからだろうか。


 よくよく考えてみれば、似たような武器で某ロボットアニメでは、進化した人類にしか使えてなかったんだから僕に使えるわけがないんだよ。


 中二……まさか二○○タ○プなのかな?


(我が名は縁!世界を深淵へと堕とす者だ)


 あーはいはい。さっさとやっちゃって。


「承知!必殺!『自撃在滅剣』!」


 勝手に技名つけるなー!

 中2が技名を叫んだ直後、フラガラッハたちは自らの意思があるかのようにそれぞれ思い思いの軌道を描きながらバルスたちへ向かっていった。


「くそっ、多すぎる」


「一つ一つは大したことないのにこの数じゃ」


 フラガラッハは今30振り以上に分身している。


「スロウディレイ、アクセルブースト、今のうちに叩き落として!」


 しかし流石は勇者パーティー、少しずつだけど対応が追いついてきている。


(だが、こちらの攻撃はこれだけではない)


 ああ。魔力炉の貯蔵魔力も万全。オールグリーンだ。いつでも使えるよ。


「っ!?だめ!ここから離れて!」


「なんだミレーナ!なんのことを……」


 最初にミレーナが気づき、次にバルスがフラガラッハの動きに気づいて驚愕して周りを見渡すがもう遅い。


 叩き落としたと思っていたフラガラッハは、バルスたちを中心として周囲に規則正しく突き刺さっていた。

 残りの飛んでいたものも地面に突き刺さり、魔法陣が完成する。


 これで僕たちの勝ちは決まったようなものだ。

 それにしても……よく戦闘中ミリ単位の魔力操作が出来るよね。僕だとこうはいかない。

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