自慢です
「ハアァ…『空拳』!」
ラルファの攻撃を避けた先で、間髪入れずドルクの拳から発射された空気の塊が迫ってくる。
「グウゥ、やってくれるな」
流石に回避が間に合わないと判断した中二は、腕をクロスさせる防御の構えをとってなんとか耐えた。
「まだだ!『サンシャインブレイク』!」
バルスがいつの間にか中二の真上まで跳び上がっていて、光り輝く神剣を振り下ろしてくる。
名前はダサいけどまともに食らうとシャレにならないダメージを負う、バルスの必殺の奥義だ。
中二、大丈夫なのか?
(ノープロブレム)
……なんで英語?
バルスの光り輝く一撃が当たる直前に中二は、足元に領域を開いてそのまま落ちてゆき、もう一つ領域の出口をバルスの真後ろに開いて着地した。
転移魔法より手軽に発動できるから、修行中に編み出した技だ。
欠点は移動できる距離が領域の開ける距離、せいぜい5メートルくらいってところかな。
だけど何でこの技を中二が使えるんだ?
(本体が使える技なら我に使えるのは道理。貴様が暗黒の力を使いこなせば使いこなすほど我も力をつける)
そういうことか。
僕が苦労しないといけないのか……勝手に強くなってくれると楽なんだけどなぁ。
「なにぃ⁉どういグフッ」
「反応が遅い」
バルスが驚きのこと言葉をすべて言い切る前に、中二の鋭い回し蹴りが炸裂して吹き飛んだ。
「バルスさん!」
リサイアが思わずと言った様子でバルスへ駆け寄った。
心なしか二人の仲が、前の世界の今頃より親密になってる気がする。
さては旅の間に何かあったな?
おかしいぞ。リア充を見ても憎しみより純粋に二人を祝福したい気持ちが勝ってる。
前までは、リア充爆ぜろと思ったのに。
……あ、僕も今ほぼリア充だからか。
すいません自慢でした。
(どうする?我らの目的はすでに果たしたが)
中二が言うことを聞いてくれるどころか、方針を聞いてくれるなんて…グッズ焼却はこれからコイツへの脅し文句になるな。
(おい……)
悪い悪い。そうだなー、今のバルスたちなら魔王が二人居ても余裕で勝てるだろうね。
(ならば)
フェイズ2だ。
(フフフ、その言葉を待っていたぞ。我が左手に封印されし『炎天破浄翔』の力を開放する時が来たのだぁ!フハハハハ!)
※そんな力はない
フェイズ2は、端的に言うと本気でバルスたちを痛めつける。
なぜそうするかはあとのお楽しみだ。
白街「白街は、リア充を見ると吐き気をもよおします」




