アドバイスしてあげた
ここで何も言わなかったらバルスたちはまた死ぬだろうな。
兄さんたちの介入の可能性が出てきたしまったからバルスたちには、なるべく早く強くなってもらわないといけない。
仕方ないな。少しアドバイスしてあげようか。
「そうでやしたか・・・・・・良いことを教えて差し上げやしょう。あの巨人は寒さに弱いんでやすよ。一応千層のボス以外は全て何かしらの弱点を持ってやす。何度も挑んでじっくりと見極めるがよいでやしょう」
「なるほど・・・・・・あ、そのための復活か」
そのための復活だ。
自慢だがすべての世界で弱点がないのは、僕たち転移者&新世代だけだ。
あの父さんたち放浪者でさえ、新しい発想を生み出すことが出来ないという弱点を持っている。
新世代は放浪者と人間のいいとこ取りの突然変異みたいなものだ。弱点がないのもうなずける。
逆を言ったら、自然に存在するこの世界の生物には何かしらの弱点があるということだ。
千匹もの敵の弱点を探りながら戦っていたら、そのうち瞬時に弱点を見破れるようになるだろう。
考えるな、感じろだ。
魔王のおっさんの弱点は僕には分からなかったけど、バルスはこの修行で見破れるようになるだろう。
僕?僕はそんな作業、無用の長物だよ。
弱点とか見破るまでもなく力押しで倒せるからね。
弱点を探すってことは、同格か、格上にすることなんだよ。
「ありがとう。次はどうにかなりそうだ」
「いえいえ、それじゃああっしはそれで失礼させていただきやす」
「バルスたちには会わないのか?」
僕はこれから新世代たちのことを探らないといけない。
多分何もわからないだろうけど、できるだけ時間をかけて調査したい。
「こっちもいろいろ忙しいんでやすよ。あ、一つ伝言を頼みやす。ここと外の時間はかなりのズレがありやすんで、出たときに記憶が曖昧にならないように、一日一日ゆっくり攻略していくことをおすすめしやすと」
ゲームは一日一時間って言うしね。
記憶魔法とか都合の良い魔法はバルスたちは使えないから、こうするしか無い。
三ヶ月こもるのも少し長いくらいだと思う。
「それもそうだな。ああ、確かに伝えよう」
「それではまたお会いしやしょう」
(鈴音さん、後は頼むね)
(任せて縁君)
後のことを鈴音さんに任せて僕はダンジョンを後にした。




