表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/132

新世代

 次元(じげん)美麗(みれい)、僕の母だ。


 容姿端麗性格はのほほんとしてて穏やか、そして家族思い特に父さんとは子供である僕達もイラッとするくらい常にラブラブオーラを出している。


 そんな母さんの驚きの正体が判明した。

 ()()()。それが母さんの正体だそうだ。


 人間皆元々猿だと言う人がたまにいるが、それは先祖が猿だというだけで今生きている人間は猿とは到底言えないだろう。


 しかし、母さんは文字通り元々猿だったそうだ。


「「「「・・・・・・・・・・・え?」」」」


 よって僕達の思考がフリーズしてしまうのは仕方ないと言えるだろう。


 だってあの猿人だよ?教科書だったら生物と世界史に出てきてあれ?また習うの?ってなる猿人だよ?


 てか寿命は?父さんの話的にてっきり母さんも放浪者なのかと思ってたけど、ただの猿人だったらすぐに寿命が来るだろうに。


 てゆうか何で未だに父さんは遠くを見てるんだ。

 そんなにいい思い出か?初恋が猿人て、おい。


「えっと、ママは普通の人間ってことかな?パパ」


「お前達の普通の定義が分からないが、母さんは普通の人間だぞ」


「でも寿命は?そもそも母さんは猿人には見えないけど」


「それは私が進化させたからな」


 当たり前のように言うなよ。

 もう何でもありだな魔法って、一体どこまでできるんだ?


「寿命の方は・・・・そうだな縁、お前は生き物はどうしたら死ぬと思う?」


「死ぬ?そりゃあ大きな怪我をしたり、重い病気にかかったり、後は・・・老衰とか?」


「その通り。しかし私達には老衰は無いがな。私はそこに疑問を持って研究した。そして気がついた。生き物がいつ死ぬか?それは魂が完全に無くなったときだ」


「魂が無くなったとき?」


「ああ、そもそも肉体と魂は密接な関わりを持っているが、影響を与えることができるのは魂から肉体への一方通行で肉体が劣化するのは魂が劣化するからだ。逆に言ったら魂が劣化しなければ肉体は劣化しない。例えばこけたときに出血してとても痛いときと、少しだけ擦りむいたけどそこまで痛くない時があるだろ?それはその時に魂が感じたままの状態が怪我として現れるんだ。極端な話核ミサイルをくらっても、魂がダメージと認めなければ体に傷は全く負わない。ま、普通は無理だがな。

 そこでだ、私達放浪者の魂は自然には劣化しない。殴られれば痛いが治癒魔法で魂を癒やせば問題無いから即死しなければ、まず死なない」


「肉体を治しても魂が劣化してるから直接魂を治さないといけない。と言うことですか?」


「その通り。さすが鈴音だな」


 父さんの話に割り込んだ鈴音だったが、父さんが褒めたからか、上機嫌だ。


「そういう訳で私達には寿命がない。しかし進化魔法はな、進化させる存在自体の時間を急激に進めることで強制的に進化させる魔法だ。当然ただの猿人の母さんの魂は耐えられずに、肉体ごと崩壊してしまう。だから私は長年研究して魂の保存のある方法を編み出すことに成功させて、母さんを進化させることができたんだ」


「おー」


 ドヤ顔で父さんが言ったからとりあえず驚いておいた。

 なるほどな、その方法で母さんの魂を保存してるから母さんも不老不死なのか。


「ある方法とは何でしょうか。時間魔法の一種?それとも・・・・」


 鈴音が腕を組んでうーんと悩んでいる。かわいいな。


「簡単なことだ。魂を魔力で固めてしまえばいい」

「⁉そんなことでいいんですか?」


 どんなことだ?僕には全く分からん話だな。


「私も成功した時は呆然としてしばらく動けなかった。考えてみれば一番最初にしてもおかしくない実験だったのにな」


 父さんが自嘲気味に笑って言った。

 なんか難しい話をしているなー、なんて思って輪名を見ると「なるほど」と呟いていた。


 なっ・・・・・輪名でも理解できているのか、あの輪名が・・・・・これは非常事態だ!兄としての立場が無くなってしまう。


「そうして私は母さんを進化させて結婚した。もちろん寿命は固定したままな。親の惚気話を聞かされてもなんだからここからは、端折るが長い年月生きてるんだから子だくさんになったとだけ言っておこう。しかしそこであることが判明した。放浪者と人間(ここでは普通の人間だな)のハーフには放浪者の特徴に加えてそれぞれ違った特殊能力が一つ身についていることがわかった。私達は子供達を新世代と呼ぶことにした。ちなみにお前達は全員新世代だぞ。何の能力を持っているかまでは分からんが」


 新世代か、それはともかくやっぱり僕って長男じゃなかったのか。僕の兄や姉は一体何人いるんだ?能力よりもそっちの方が気になるんだが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ