勇者バルス
SIDEバルス
俺はバルス・・・一応勇者だ。
今俺は魔王を倒すため、頼りになる仲間と旅をしている。
聖女のリサイア、拳闘士のドルグ、賢者のミレーナ、魔剣士のラルファ、守護聖騎士のグレスト。
皆旅の途中で出会い認めあった大切な仲間だ。
「皆さん、今日はここで野営をしましょう」
「おう、自分は薪でも取ってくる」
「酒ぇーーー」
「ミレーナさん、まだお酒は早いです」
「ブーブー」
「はぁ、この呑んべえ賢者が。なんでこんな煩悩たっぷりなやつが賢者になれるんだか」
「だって私前の職業遊び人だったもんねー。もう癖よ癖」
こんなふうに軽口を叩いてるけど皆上級職の猛者だ。
今俺達がいるのはロゼナンの森。
ここの奥地に、レサイアにかけられた呪いを解くことができる癒やしの泉があるという噂を聞いたのでここに来た。
レサイアには生まれつきある呪いがかけられている。
それは聖女の一番の力である浄化の力を使えなくなる呪いだ。
いや、力の行使自体はできるんだが、そのたびにレサイアの生命力が減ってしまう。
聖女の力を使えないレサイアは、ただの家事が完璧な美少女・・・・・・あれ?別に呪い、解けなくてもいいんじゃねえか?
いやいやいやいや、仲間に一大事に俺は何考えてるんだ。
!近くに人の気配、ドルクじゃない。
「誰だ!」
俺がそういったときにはもう皆それぞれの得物を手にとって気配の先を見ていた。
普段はあれだけどなんだかんだで頼りになる。
普段はあれだけど。
「そんなに殺気を振り撒かねえでくだせぇ。あっしは怖くっておっ死んじまいそうでさぁ」
「は?」
出てきた男は、黒いローブを着てフードを深くかぶっていた。
声だけなら10代くらいか。
ただ、めちゃくちゃ怪しい。
縁「バルスたちの前に現れた男は一体。続きが気になりまさぁ」
鈴音「縁君。語尾語尾」
輪名「言うてもう皆わかってたよねぇ」




