慢心
「・・・・・・肝に銘じておくよ。ところで仮に、失敗して世界が崩壊しそうになったら、どうすればいい?」
「どうしようもないな。一度崩壊が始まってしまえば、こちらはただ傍観するのみ。なんの手も打てない」
「時間魔法で世界まるごと崩壊前に戻すとか・・・・・・」
「魔力とマナが足りん。ただでさえ燃費の悪い魔法なのに、世界ごと時間を戻すなんて、どれほど莫大なマナが必要か・・・・・・」
「僕の魔力炉を使えば?」
「・・・・・・・・・・・・あ」
父さんは片足を踏み出したまま、石の彫像になった。
魔力路のことは父さんも知ってるはずなのに。
僕の仮説もとうとう真実味を、帯びてきたってとこか。
「ちなみに、できんの?」
「・・・・・・できる。だが少し開発・研究に時間がかかるだろうからお前は一発勝負だ。いいな?」
「了解。わかったよ」
これでしっかり世界を救えたら、父さんも僕の仮説を受け入れるしかない。
「ここは・・・・・・」
「どうだ?圧巻だろう。伊達に、基地のマナ供給量の7割がここに使われてるわけではないのだァ」
なぜか少しはしゃいでる(原因・魔力炉)父さんについてきてたどり着いた場所は、数え切れないくらいの鏡が掛けられた部屋だ。
さしずめ鏡の間ってとこか。
あ、清原さんだ。隣は・・・・・・誰だ?
この基地で僕が会ったことのある人は、廻理花達と父さん、そして清原さんだけだ。
清原さんと一緒にいる男は190センチくらいの細身の長身だ。しかしよく見てみるとその体つきは、繊細さよりも精強さを感じるくらいしまった筋肉で覆われていた。細マッチョだ。
髪も長髪なこともあって一瞬女性に見えるくらいだ。そしてイケメン。
「お、お親父じゃねえか。久しぶりだな」
親父ってことは、この人は僕の・・・・・・
縁「どうして、どうして僕に家族は美形揃いなんだ・・・・・・」
鈴音「縁君が三角座りで地面にのの字を書いてる」
廻理花(縁も大概でしょうが、この世のフツメンに謝れ)
父さん(それな)
廻理花「もう驚く気も失せた」
輪名「あれ?なんでパパとお兄ちゃんが同じ格好してるの?」
廻理花・鈴音「やっぱこの二人親子だわ」




