A君の本名
「転移者?どういう意味で?」
「これからは目的もなく放浪するというより、世界渡りをして世界のの歪みを正す。転移をして世界を正すもの。そんな意味で転移者って名前にしてみたんだけど、だめかな?」
僕が自身な下げに今とっさに考えたことを言ってみると、三人は少し考え込んで頷き。
「「「まあ良いんじゃない(かしら)」」」
ほっと息をつく僕に向けられる、ジトーとした視線はともかく、賛成も得られた。
後は週末の任務を待つだけだ。
「お待たせしましたー。ゴールデンローズ、ブルーローズ、レッドローズ、グリーンローズ、ホワイトローズそれぞれ3つと、チョコレートケーキ、モンブラン、チーズケーキととミルクレープです」
そう言って、A君は両手に持ったトレイごとケーキをテーブルに置いて、
「おい」
そのまま輪名の前に座った。
「何だい?縁」
「仕事しろや店員」
「HAHAHAもう俺がいなくても親だけでお客をさばける時間帯だから、今は店員じゃなくてお前の友人だよ」
クッ、友人だと・・・・・・なら許すか。
だがしかし輪名には近づくな。妹に近づく害虫は、排除させてもらう。
「えっと、お兄ちゃん?この人ってお兄ちゃんのお友達?」
ほら、突然目の前に座った害虫に輪名も驚いてるじゃないか。
「あー、コイツは・・・・・・」
「どうも、縁の親友の英悠一です。B型の乙女座の只今彼女ぼしゅブヘラッ」
A君もとい、英君は突然のパンチにイケメン顔が文字通り凹んでいた。
変なことを言い出した害虫には怒りのストレートだ。
「何すんだよお義兄さん!」
「変なこと言い出すからだ。てか勝手に関係を親密にするんじゃない。(妹としての)輪名は、僕のものだぞ‼」
「え?」
「へ・・・・・・?」
「お兄ちゃん・・・・・・ポ」
最初に英君のポカンとした声、次に廻理花と鈴音さんの呆然とした声、そして輪名の照れた声。
それにしてもポて・・・・・・カワユイ!さすが僕の天使!
英「やっと、やっと名前が手に入った」
縁「音だけなら最初から名字で読んでたけどねー」




