修行の話をしたらドン引かれた
「ところで縁君、最近修行部屋にずっとこもってるって聞いたけど大丈夫なの?」
「大丈夫って・・・・・・何が?」
「え?いや、えっとね。長い間ずっと修行してるとストレスとか、溜まったりしない?あっ、ないんならいいよ。ちょっと気になっただけだから」
そう言ってあたふたとしていた。あたふたする鈴音さん・・・・・・かわいいねー。
それはそうと僕は、鈴音さんの瞳に少し怯えが混ざっておたことに気づいてたが、気づいてないふりをしていた。
フフフ、できる男は気遣いさえ完璧なのさ。
冗談はさておき、鈴音さんだけでなく、輪名や廻理花も時折同じ視線を送ってくる。
理由はだいたい予想できている。
多分、身体強化の試練のときに何かが起きたんだろうね。
三人の反応から見るに、崖を崩した犯人は僕だ。
父さんのメモを見た後の記憶がない間に、僕が何かをしたんだろう。
僕はそれを新世代の能力だと睨んでる。
どんな能力かはまだわかってないけど、三人の気にしてることと、気を失ったタイミングで発動条件はわかった。
それはストレスと怒りだ。
あのときは早く崖の上に行くことばかり考えてたから、あまり眠ってない。
そして極めつけがあのメモだ。
ストレスでイライラしてた僕にとって、アレは地雷だろう。
多分ストレスや怒りによる暴走って感じの能力か?
多分三人はその時に僕にボコボコにされてたんだろう。
暴走状態とはいえ女の子を殴るなんて情けない。
しかも1人以外は僕の大切な人だぞ。
まあ、まだ全部予想だからまだわかんないんだけど。
このときの僕の予想がほとんどあたってることを知るのは、もう少し先の話になる。
具体的に言うと五千年後くらい。
「・・・君、縁君ってば!」
「あっ、え?悪い聞いてなかった。何?」
「どうしたのずっと黙って」
鈴音さんが心配そうに僕の顔を覗き込んでくる。
近い近い、なんかいけないことしてる気分だ。
「少し考え事をしてたんだ。何でもないよ。それにストレスとかはあまりないかな。
修行と言ってもほとんど魔法実験をしたり、魔力炉意外のマジックアイテムの開発とか改良をしてるから。僕ってゲームのレベル上げとか大好きだから直接僕の力になる武器づくりとか楽しくできるんだ。むしろ時間が足りないくらいだよ。
父さんに聞いたら能力が生産向きの『アイテムマスター』って姉もいるらしいからその人を追い抜いてみたいってずっとこもろうとしたら、清原さんに修行部屋を維持するマナと魔力が足りなくなるから一日一万年までだってストップがかかってね。ハハハ」
「そ、そうなの」
みんな口の端をヒクヒクさせてる。
ドン引かれましたなぁ。
縁「ちなみに、今までで作ったアイテムの数なんと二百万点以上」
父さん「一日一個以上?過労死するぞお前・・・・・・」




