シスコンの烙印も受けてやる
「縁・・・・・・三人も女を侍らしてるのか・・・・・・羨ま、意外だな」
「侍らすは、心外だ。今日はただこいつらにおごらされるために来てるだけだ。それに1人は妹だし」
「そうなのか。じゃああの席でいいな?後縁、一ついいか?」
A君は良いやつだし僕にできることなら聞いてあげてもいいかな。
それに僕に不可能なこととかほぼないし。
「何?」
「お前の妹って結構かわいいな。今度紹介してくれよ」
殺すぞ?
「・・・・・・」
「じ、冗談だよ冗談。俺はナンパは自力でする主義って縁、目が怖ぇよ」
当然だ。僕のりんなはたとえ相手が誰であろうと渡さない。
輪名のためならシスコンの烙印だって受けてやろう。
席についた僕達にA君がメニューを差し出してきた。
「ご注文は何にしますか?」
「ゴールデンローズ、ブルーローズ、レッドローズ、グリーンローズ、ホワイトローズ、ブラックローズをそれぞれ3つずつ」
うっわ、廻理花がやりやがりましたよみなさん。
よりによって店で一番高いローズシリーズを全部頼みやがった。
もうなにかの呪文に聞こえる。
・・・・・・君たち食い過ぎじゃない?残したら怒るよ?
「縁は何にする?」
「・・・・・・チョコレートケーキにモンブラン、それとチーズケーキとミルクレープ」
もういいさ、こうなったら覚悟を決めた。僕の財布が火を吹くぜ‼
「(財布)大丈夫か?」
「大丈夫だ」
「いや、ちょっと涙目に」
「うるさい」
「・・・・・・かしこまりました。少々お待ちください」
道場の視線を僕に向けながらA君は去っていた。
「やったー、一度でいいからローズシリーズを全部食べてみたかったんだー」
何か廻理花がほざいてる。腹立つな。
「私もそう思ってた。お兄ちゃんありがとう」
「そんなに美味しいの?」
「チッチッチ鈴音姉、ここのケーキの美味しさをなめてもらったら困るなぁ。ここのケーキは日本一いや、世界一なんだよ。」
「ふふふ、ありがとね輪名ちゃん」
ハゥア!鈴音さんと輪名の笑顔に癒やされる。
まさに天使と女神。
「何か縁と輪名の喋り方って似てるわね。腐っても兄妹ってことかしら」
何が腐ってもだ僕と輪名は腐ってないぞ。
縁「まさかローズシリーズ全部頼まれるなんて・・・・・・」
鈴音・輪名「「縁君(お兄ちゃん)ありがとう」」
縁「あー!癒やされるぅ!もう金なんてどうでもイイ」
廻理花「チョロいわね」




