表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/132

八つ当たり✕2

 どうも縁です。さて、僕はどこにいるでしょうか。


「ギィィ。ギギッギィーーー!」


 おっと、ここでゲストのゴブリンさんです。

 挨拶代わりに僕の右ストレートをプレゼントします。


「グ、グエェー」


 これはうっかり。力加減を間違えてゴブリンさんを数十メートル遠くまでぶっ飛ばしてしまいました。


 さて、ここは富士の樹海のどこかです。なぜ僕がここにいるか、疑問に思っている人も多いでしょう。


 実は数分前家でラノベを読んでいたら我らが忠実なる下僕のMrGからの連絡によって歪みの発生を確認。そして現場に急行。


 そして歪みの前にやってくると、すでに歪みから出てきていたゴブリンさんを強制送還しようとしていたのです。

 と、い・う・わ・け・で。


「飛んでけオラァー!」


「ギイェーーー!」


 僕はゴブリンの頭をガシッと掴んで歪みに向かって投げつけた。

 僕の至福の時を邪魔したんだ当然の報いよフハハハハハ。


 ・・・・・・いかんいかん。つい取り乱してしまった。これじゃ八つ当たりだ。


「・・・・・・任務完了」


「なにが任務完了よ!このバカ!」


 ガツンと廻理花に後頭部を思いっきり殴られた。痛い。

 後ろを見ると廻理花は別のゴブリンの首根っこを掴んで立っていた。


「廻理花か・・・・・・キリッ」


「キリッじゃないわよ!なんで勝手に強制送還してんの⁉あんなボロボロの体で戻したらすぐに死んじゃうでしょう?それに、こっちの世界の記憶を消さないといけないの忘れてるの⁉」


「チッチッチ、廻理花さんや、君の目は節穴かい?僕はあのゴブを投げ飛ばす瞬間にちゃんと回復魔法と記憶魔法を掛けておいたのさ。つまり僕は仕事をきちんとこ・な・し」


 ガツン!


「痛ったいなぁ。なんだよいきなり?」


「ごめん。なんかその喋り方が癇に触ったっわ。もう二度としないで」


 理不尽の極みだな!これこそ八つ当たりだろ。

 ・・・・・・違うか。


 そんなことを考えてる僕を放っといて、廻理花は記憶魔法を掛けてゴブリンをぽいっと歪みに放り込んだ。


「今回こちらに来たのはこの二匹か?」


「ええ。他の気配は感じられないわもう歪みを閉じても大丈夫」


 廻理花に確認を撮って僕は歪みに手をかざして魔力を注ぎ込んだ。これが歪みの消し方だ。


「さてっ、任務完了。ねぇ縁、帰りにケーキを食べに行きましょう。もちろん縁のお・ご・り・で♡」


 そう言って廻理花が僕の腕に抱きついてきた。

 残念もうちょっと大きかったらなぁ。僕にまな板の需要はないんだよ。

 せめて輪名くらいあればなぁ。


「・・・・・・まあ良いけど。なんか釈然としないんだよなぁ」


「やった♪」


 小刻みに飛び跳ねる廻理花。ほんとに残念。

 それを観ながら僕は


(こんなイベントって普通鈴音さんとじゃね?)


 と考えていた。

縁「はぁ」

鈴音「どうしたの縁君?」

縁「なんか調子が出ないんだよなぁ。学校をしばらく休んでたみたいな?具体的に言うと4回くらい休んでた気がする」

鈴音「4回?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ