放浪者の総人口
「ここを通れって、ほとんどマンションとかビルを突っ切ってるじゃないか」
「普段から体を動かしてないといざというときに体が動かない。そのための通学路だ。今流行のパルクールだ。やりたかったんだろう?ちなみに身体強化は禁止な」
それって怒られる系のやつなんじゃ・・・・・・
「そもそも身体強化のない僕なんてただの人だよ?無理でしょ」
「気づいてないのか?もうすでにお前は身体強化を使ってなくても、十分超人だぞ?200年も身体強化を使ってたら効果がこびりつくからな」
何そのしつこい汚れ扱い。
父さんの言うことだからあまり信用できないんだよなぁ。
「信用しろって」
普通に心読むなこの人。
身体強化を使わないとなんか不安なんだよな。
身体強化が僕の中で、すでにやばい薬みたいな依存性を発揮している。
でもパルクールか。イメージしてみたらなんかかっこいいかも。テレビで観て興味が湧いてたんはホントだし。
「校長には話を付けてあるから屋上から学校に入れ。ホレ、鍵だ」
急に父さんが鍵を投げてきたので慌ててそれを受け取る。
うちの学校は屋上立入禁止だから誰にも気づかれずに学校に入れる。
これほどいい場所はないが・・・・・・
「なんで校長と話が付けれるんだよ」
「そりゃ校長も放浪者だからだよ。放浪者のほとんどが異世界で歪みが広がらないように食い止めたり、狩矢の追跡調査をしてるけど、この世界にもそれなりの数の放浪者はいるぞ」
「今更だけど放浪者の総人口って何人?」
「ほんとに今更だな。えーっと・・・・・・何人だっけ?」
おい司令。
「確か100・・・・・・いや、200億人ってとこだろ。そのうちこの世界にいる放浪者は10億人くらいだな」
「10億⁉ってことは7人に1人が放浪者ってことか⁉」
「いや違う。言ってなかったか?あくまでこの世界の話だ。地球の放浪者は100万人くらいで、それ以外は別の星だな」
「それって太陽系の外?」
「所謂宇宙人を見張ってる。あいつら隙きあらばこの星を手に入れようとするからな。各方面、銀河、星雲に散らばって侵略を食い止めてるのが残りの9億9900万人だ」
うちの家族が宇宙大戦争に参加してた⁉
この世界だけでも十分ファンタジーだった。いやSFか。
「ちなみに地球で目撃されるUFOは歪みから来たやつでリアルUFOは太陽系に入る前に撃ち落としてる」
リアルUFOってなんだよ。まだまだ放浪者の秘密がありそうだな。父さんが一度に言い切れないなんてこの種族の歴史深すぎでしょ。
これからも驚かされる未来が見える。
父さん「ちなみに昔は神の真似事なども・・・・・・」
縁「マジ?何してんのさ」
父さん「私はイザナギだった。ぶっちゃけ神話の神々と英雄はほぼ放浪者だ」
縁「最近(ここ数千年)の聖人とかは?」
父さん「アレはマジですごい人たち」
縁「へ、へぇ」




