皆と僕の戦い方
武器の練習自体は楽しかった。剣は大剣から短剣まで、素手での格闘術からワイヤーとかこれ武器?てゆうものや名前のわからないものもあったが、ゲームみたいだったからなかなか面白かった。
とりあえず僕の当面の武器は短剣になった。大剣より手に馴染むし、形状やデザインを変えればどんな世界でも怪しまれる可能性がかなり低くなると思ったからだ。
「一通りの基礎を終えたから後は、自由に自分の戦い方を決めていくと良いわ」
「は?なんか決まった流派的なやつはないのか?」
「えっと・・・組織内で師弟関係の人達がいるらしいけどそんな人達でも、そこから派生した自分だけの戦い方は持ってるよ。縁君が誰かに弟子入りするのは別にいいけど、私は合わないと思うなぁ。放浪者の人達は時間だけは余ってるから自分の体格や正格、好みにあった戦い方を日々修行していて、さっきの話の師弟の人達も自分の戦い方に行き詰まったときに、自分に似た戦い方の人ならどうするのかを知るために弟子入りするんだから。師匠側の人も弟子の戦い方を見て自分に取り入れることもあるし・・・・・・師弟関係と言うより教え合いって感じね。そんなわけで放浪者の中で流派と呼べるものはないわ」
ちなみに鈴音さんの武器は銃器だ。拳銃からバズーカまで何でも使いこなせる。さっきの文明レベルがどうとかの話を聞くと、魔法で見えなくして使うから至近距離じゃなかったら大丈夫とのことだった。
さっきの輪名の説明の意味あったの?
結局、魔法で何でもありにしてしまうんだよなここの人達。
廻理花はガントレットを付けた格闘術で、輪名はムチを使ってる。正直、輪名は自分のムチに絡まったりするかな?と思ったが意外と様になってた。
すごいと感心したが、ムチを魔法でコントロールしてるらしい。感心して損したよ。
「私達を見たら分かるけど放浪者の戦いの真骨頂は魔法よ。いかに魔法を使うかによって戦いは大きく変わるわ。しかも縁君は属性魔法の調整ができてないんだからそれ以外の魔法で勝負しないと勝てないわよ。さあ、てことで魔法の応用訓練の開始よ。おー」
最後に「おー」をつける鈴音さん無邪気で可愛いな。
ところで修行の間はしっかりと睡眠を取らされるわ、輪名がマッサージしてくれるわ快適なのはなぜだ?また何か企んでるの?
修行のおかげでなんとか属性魔法が使えるようになった。まあ、1か100の威力でだけど。
他の魔法はどんな魔法なのか聞くか、実際に使ってるのを見たら全てできた。
「ありえない。なんでこんなにポンポンと魔法が使えるようになるわけ⁉私達はかなり時間が掛かったのに、一体どうやったの⁉」
「うーん、なんとなく?」
「ちっ、天才が」
失礼な、これでもイメージは頑張ってるんだぞ。
しかしよくよく聞いてみると、魔法にはちゃんとした理論があってそれを完全に理解することで初めて使えるようになるらしい。
そりゃ僕みたいなのいたら、ヤケを起こすわな。
しかし僕みたいな前例がないわけではない。以外だが父さんも感覚派だったそうだ。
元々原初の放浪者は全て感覚派で、そんな脳筋状態に不満を持った父さんが魔法理論を作り次代の放浪者達に伝えたそうだ。
実質父さんって理論派じゃね?
父さんらしいといえばらしいな。
ちなみに属性魔法の応用方法はほとんど完成しているらしいが万能魔法はいかんせん数が多いから今でも新しい魔法理論が作り出されているらしい。
必要に応じて作るのが万能魔法に対する皆の共通認識らしい。
そんな多くの魔法と武器を使って自分のオリジナルの戦い方を作り出すなんて奥が深い。
え?僕の戦い方?ふっふっふ、まだ教えないよ。楽しみは取っておかないとね。




