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隠されし力?

 最初の挨拶を最後に僕は鈴音とは一度も話さずに学校が終わった。

 いつの間に仲良くなったのか廻理花と鈴音が一緒に帰っていくのが見えた。廻理花恐るべしコミュ力。

 ・・・マンガ買いに行かないと。



 やっぱ今の時代は特殊能力が無きゃやっていけないよな。あ、これマンガの話だよマンガの。


 僕も小学校の頃はよく読んでいた。特にゴムの体を持つ海賊の少年が主人公のマンガは今でも読んでいる。あれはいつ読んでも面白い。


 最近ではラノベも読み始めた。ザ・ご都合主義な物からリアリティを追求した物、どれも面白い。

 そんなマンガやラノベを読みながらふと思う事がある。


 結局どんなにリアリティを追求したとしてもそれが物語である限り、いや物語じゃなかったとしてもその中には少なからず【偶然】がある。

 その事を父さんに話したら、


「人生は偶然で創られている。そもそも世界に必然なんてものは無い。偶然によって導かれた物語、それを私達は必然と呼ぶ。

 だからと言って偶然を頼りに何もせずにのうのうと生きていいという訳ではない。何もしなかったらその分偶然によって生まれる道が狭くなってしまうから人は人として生きる事ができる。

 人と人との繋がりによって生まれる偶然はどれだけあると思う?例えるならそう、友人Aの友人Bが将来の恋人だったっていうのも必然と言えば必然だ。つまり友人Aと友達と言う繋がりを持っていなければ恋人と出逢う偶然は起きない。

 私はお前にそんな繋がりを持ってほしいから巡り合わせと言う意味の縁をお前の名前にしたんだ。人との出会いを大切にしろよ縁。」


 と、長々と聞いてない事まで話してきた。

 もうこれ文章の領域だね。


 僕の父さんは一を聞いたら今日の世界情勢まで説明してくる人だから今の話だと割りと短い方だけど。

 見た目二十代の若作り親父なのに意外と話す内容は深い。


 そんな父さんの願いもむなしく、僕はただ今コミュ障まっ盛りだから目も当てられない。

 僕は人との繋がりよりも何かの特殊能力の方が良いな。


 まぁそんな事考えてもコミュ障が悪化するだけか。父さんの言う通り人との縁を大切に生きていくのが正しいんだろうな。

 なーんてね、ちょっとカッコつけ過ぎかな。








 翌日。

 何だよ。特殊能力とかどうでも良いとか思ってその上少しカッコつけてなーんてねなんて言ってみたら、何で翌日に僕の隠されし力が開放されてるの⁉


 今僕の布団はびしょびしょに濡れている。あっ、別におねしょした訳じゃないよ?起きたら左手から水がドバドバ流れ出てきてるんだよ!

 もうこれ手汗っていうレベルじゃないよ。百歩譲って手汗だとしても十秒とたたずに僕が干からびるよ!


 目が覚めて五秒くらいでそこまでの事を考えて後は焦り始めた。

 どうやってコントロールするのこれ?!とりあえず止まれと念じてみるか?止まれ!あっ止まった。とりあえず安心・・・・・じゃ無ぇよ!何これドッキリ?



 ・・・・・・・さてと、まずこの状況から整理しよう。


 さっきまで水でびしょびしょに濡れていた布団はもう乾いている。左手から出てくる水を止めた後、布団を乾かすためにドライヤーを探していると左手から次は温風が出てきた。


 そのまま布団を乾かして温風を止めて、今は布団の上に座ってこれはどういう事かと考えている。

 幸い(?)僕は普段こんな状況をいつも妄想の中でシミュレーションしている痛い性格の人だから、今は結構落ち着いている。

 中二病の適応力、恐れいったか!まあ妄想してた事が現実に起こって少し引いたが。


 話がずれてしまった。とりあえず自分に備わった力を調べてみよう。自分の能力把握は大事だからな。これをしないとモブキャラで終わってしまう。


 試しに雷をイメージして思い浮かべると左手がパチパチと電気を帯びた。

 右手をイメージすると同じように右手も電気を帯びた。どうやら思い浮かべたものを手から出せるようだ。


 何となく足でもしてみたらどちらの足からも出た。・・・訂正、イメージすれば体のどこからでも出せるみたいだ。


 もう一つ気づいたことがある。周りを見るといろいろな大きさの光の玉がふよふよと浮いている。僕が水を出すと青い光が、温風を出すと赤と緑の光が、電気を出すと黄色い光が消えた。


 どうやらこの光の玉は俗に言うマナってやつだな。そしてこの水やら雷やらはマナから創られているようだ。


 つ・ま・り、僕の能力は魔法って事だ。

 やったー念願の特殊能力だー・・・・ってバカ!呑気に喜べないよ!


 パニック!次元縁は今パニックだよ!そもそも何で魔法なんだ?そしてなぜ今なんだ!

 うおおお!今こそ中二の対応力みせてやるぜ!

 ・・・・・全然状況が整理できねぇよ。

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