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僕は頑張った

 さて、普通に登ったらさっきと同じ目に合う。何通りか方法は考えてあるけど、どれも落とされそうだ。・・・・・・・・・・・・仕方ない片っ端から試すか。


 作戦その一、身体強化を使った状態で思いっきり飛んで直接行く。

 結果・・・失敗。空中で走れることがわかったけど、魔法で狙い撃ちにされた。


 作戦その十七、巨大パチンコを使って気づかれるよりも早く頂上に行く。

 結果・・・失敗。案の定撃ち落とされた。このときになって治癒魔法は特例で許可された。

 逆に言ったら僕はそれだけひどい状態だった。何これ?諦めない心を作る試練?


 作戦その八十五、山エリアの山の土を崖まで持っていって同じくらいの高さの壁を作り、直接橋をかけて渡る。

 結果・・・モウヤダ。


 さて山を作るのに掛かった時間は一ヶ月。身体強化を常に使っていたから、これでも短いほうだ。壁が完成した後、僕はその下で橋を作り始めた。

 作った橋を夜に不意打ちでかけて渡ってると、ちょうど僕が真ん中辺りまで来たのを狙ってたかのように向こう側で誰かが、チェーンソーで僕の橋を切り落とした。誰かは分からなかったけど、多分廻理花だろう。


 それから一週間、他の作戦も試したけど全て失敗した。

 最後に残った作戦はこれだ。


 作戦その百五十三、崖を殴って削って階段を作る。

 思い返してみれば今までの作戦の敗因は全て足場が信用できなかったのが共通している。だったら信用のできる足場を作ればいい。これだったらさすがの廻理花も邪魔できないだろう。


 問題は僕のパンチが岩を砕けるかだ。




 十分後

 今僕はひたすら岩を殴っている。身体強化ほんっとに便利。岩にパンチが当たるとマンガみたいに岩が砕ける。少し凸凹してるけど階段もできている。後はこれを繰り返すだけだ。


 なんでこの作戦を最後にしてしまったのかが悔やまれる。一ヶ月かけて山を作ったのが馬鹿みたいだな。今までの作戦の中で一番手応えがある。これならいける!




 一時間後

 さっき、いける!とか思っててスイマセン!あまりにうまく行き過ぎてこの作戦を最後の手段にした理由を忘れてた。

 どんな理由かって?疲れるんだよ!


 常に身体強化を使ってたらすぐに限界が来て手が痛くなった。

 だけど普通に登るよりかはずっと良い。

 一週間くらいしたら半分くらいまでたどり着けるかな。




 一週間後

 やっと来たぞ。とうとうボーダーラインの半分を超えることができた。

 廻理花達に見つからないように死角の場所で進まないといけない。そこで崖の中から進んでいくことにする。


 名付けてモグラ作戦。

 内部から岩を砕いて頂上まで行くこの作戦だが、思いの外うまくいった。

 これまで半分を超えたら必ず障害があったはずなのに今それが全く無い。


 おそらくもう九割登ったはずなんだがな。やっぱ一番最後の作戦が成功するのはお約束ってやつなのかな?

 そう思ってると上からガガガガガガガガガと、嫌な音がした。まるで穴を掘るドリルのような・・・・・・


 ボコッと真上にドリルの先端が出てきた。すぐにドリルが引っ込んで嫌な予感がした僕だったがその穴から出てきたものに愕然とした。


 ローションだった。ヤバイスベル。テレビで芸人がしてる時はワザとらしいなと思ってたけど今なら分かる。あの人達はマジで滑っていることが。やべぇヌルヌルして少しでも足をずらすと滑り落ちてしまいそうだ・・・・・・と言うより動かなくても少しずつ滑ってる。廻理花め、何という卑劣な手段を・・・・・・ツルッ。あっ、気づいたときには階段を滑り落ちていた。






 痛ててててて、くそー尻から落ちたから尻が痛い。あそこでローションとかズルすぎるだろ。そもそもドリルと言いローションと言い上にどれだけ妨害用の道具があるんだ?


 あーあ、せっかく作った階段がローション塗れ・・・・・・泣いていいですか?

 あれ?ローションと一緒に紙切れが流れてくる。この前の父さんのメモか?メモを取ってみるとやはり父さんの書いたものだった。だが内容が違う。


『縁の試練は、最低百回は妨害して欲しい。どうせ身体強化を覚えて調子に乗ってるだろうしな。』


 はぁ、やっぱりおかしいと思ったんだよ。試練と言うからには難しいのは当たり前だと思っていたが、流石にこれは無理ゲーだ。GM(父さん)がクリアさせる気がないんだから。


 アアクソッ、腹が立つ。なんだか頭がクラクラしてきた。イライラしすぎか?あっ、もう立つことも満足にできない。・・・もうダメ。

 そこからの意識は無い。

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