表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

124/132

魔獣を食う

「さてと、どうさばこうか」


 リュカ少年たちの先生を始めて一週間が経った。

 みんな飲み込みが早くて教え甲斐のある子たちだ。

 しかし、根本的に魔力が足りないから今回は魔力を増やそうと思う。


「お兄ちゃん、何してるの?」


「ロブ君か。これから魔獣の解体をするんだよ」


 教会の庭に、リュカ少年とロブ君を助けた時に倒した熊の魔獣を置いて、僕はどこから手を付けるか観察していた。


「でもよーアニキ、魔獣の肉を食ったら死ぬんだぜ。食わないのになんで解体するんだ?」


「死なないように肉は君たちが食べるんだ。他は実験用の素材に使う……ここだっ!」


 今のところ僕の魔道具は全てMade in earthで、普通の材料でしか作ってなくて、そのせいで特殊効果は付与するしかない。

 しかし、異世界のファンタジー素材ならその限りじゃない。

 作った時点で、触れるものすべてを焼き尽くす剣みたいなものを作れるかもしれない。

 そんな訳で、異世界で手に入る素材は片端から持って帰ることに決めた。


「すごい!一瞬で肉と骨と皮に分けられた!」


「アニキ俺の話聞いてた?魔獣を食ったら死ぬんだぞ」


「魔力を操作できない普通の人ならね。でも君たちは既に魔力のコントロールができるだろう」


 魔がつくだけあって魔獣は魔力を持ち、様々な魔法を使ってくる。

 その魔力量は、人間とは比べ物にならない。

 それで魔獣を人間が食べれば体と魂が魔力に耐えられずに死んでしまう。


 逆に言ったら魔力をコントロールできるなら魔力を吸収して増やすことができる。

 バルスたちの世界では魔物の血を加工して、魔力増強剤を作ってた


 増やせると言ってもせいぜい弱い時のバルス程度までで、それ以上は増えないから僕や父さんたちが飲み食いしても意味はない。


 バルス云々の話は端折って子どもたちに教えるとへーと気のない返事が返ってきた。

 うん、分かってないね。知ってたよ。


 昨日森で野菜をとってきたし、今日は水炊きかな。

 久しぶりだからよだれが止まらない。

 ジュルリ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ