スライムかわいい
『続いてマスター名の登録をお願いします』
おっさんの名前なんだったけ?けっこー長かった気がするんだよな。
まあオッサンでいいか。
『サブマスター名を登録。マスターエニシが不在の時はダンジョンの権限はオッサンに譲渡されます』
ほうほう。自動で権限が移るのかこの子有能だ。
『それではモンスターの説明に移ります。スライムは単体で分裂、増殖を繰り返します。また、生活する環境、エサ等によって様々な進化を遂げます。中には進化することによって違う種族になる事もあります。進化し、手に入ったモンスターはショップに追加されるので様々な進化パターンを研究する事ができます』
コアちゃんの説明は簡潔でわかりやすい。
『初期DPはどのくらいにしますか?』
「そうだなぁ、あまり多くても面白くないし5000くらいが妥当かな」
『承知いたしました。ダンジョンを生成します』
コアちゃんが光を放つと目の前に洞窟の入口が作られていた。
真っ白な土台に洞窟の入り口だけ……なかなかシュールだ。
『初期ダンジョンは全三階層となっております』
「よし、まずは層を二層追加、スライムのポイントは?」
『1匹10DPです』
「じゃあ、それぞれの層に20匹ずつ追加」
スライムはわらび餅みたいでうまそうだった。
口は……無いな。そもそもスライムが弱いって某ゲームのせいで先入観があるからだと思う。
物理無効の上、進化の可能性無限ってある意味最強の生物でしょう。
感触はどうなんだろう。
「コアちゃん、ここに1匹配置して」
うーん、だいたいサッカーボールくらいのサイズか。触るとひんやりして気持ちいい。プニプニだし床に置くと足にすり寄ってくる。
ナニコレかわいい。
『かなり懐いてますね。ペットにしますか?』
流石に無理。と言おうとしたが、それを感じ取ったのかプルプルと震え始めた。
「仕方ないなー!外では僕がいいと言うまでカバンの中にいるんだぞ」
僕がそう言うとスライムはその場でポンポンと跳ねた。
『お名前はどうしますか?』
「うーん、スラは?」
しばしの間沈黙が続いた。
◇◆◇
「てことでヨロ」
「う、うむ。しかしオッサンって……まあ良い任されようではないか」
「ダンジョンは一週間後オープンするからそれまでに発展させといて。DPは魔力で作れるから」
「まったく……お主のほうが余より魔王してないか?」
単純な戦闘力ならおっさんより強いしね。
バルス、バルス。
(なんだ?)
世界の半分がほしいか?
(は?)
……何でもないよ。
疲れてるのかな?早く家に帰って寝よ。