いつの間にか族の頂点
「無の世界?行っても大丈夫?」
「当然。しかもそこは座標が常に変わるから専用のゲートでしか行くことができない。ゲートは既にお前の領域に入れておいた。私名義で購入したお前と舎弟の溜まり場にでも設置すればいい」
「げ、気づかれてた」
実はこの二週間の間に、ひょんなことから暴走族をしめて舎弟にしてしまってついには、ここいら一帯の族の頂点に僕は君臨していた。
族の割にちゃんと全員バイク免許を持っていたので、僕が魔改造したバイクをあげて勝手に父さん名義で建物を拠点用にいくつか買った。
そんなことしている内に金が少々心もとなくなったので、彼らは放浪者の情報網を使って賞金の出る指名手配犯を捕らえるために全国に散らばってる。
リアル賞金稼ぎ。
バイク以外にも魔道具を持たせてあるからただの人間に遅れをとることはないだろう。
当たり前だけど、そんなもの渡したら必然的に僕のことも話さないといけないから、放浪者の話はしてある。
意外と信じてたけど、あいつらアホだから。
「すっげぇ。アニキすっげぇ!アタシ等仮面の一筋の光一同一生アニキに付いていきます!」
アホだった。マジでアホだった。
ちなみにこれを言ったのは最初にしめたレディースの頭の如月さんって名前の女の子(高3、年上)だった。
僕のチームの名前があんなのなのは、見バレするのが嫌だからバルスの世界で手に入れた仮面を常につけていたらいつの間にかその名前が広まっていた。
如月さんの琴線に触れたんだろうね。
「逆にあれだけやってて気づかれないと思うほうがおかしい。どうせそのせいで報告書も遅れたんだろう」
図星。
だって楽しかったんだもん!自分で組織づくりするの初めてだもん!