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特務隊

 父さんは座っていた椅子から立ち上がり、泣いてる僕の目の前に来て優しく背中を撫でながらぽつぽつと喋り始めた。


「そうか、私はさみしかったのか。縁、すまなかった。心配してくれてありがとう。私も何度か打ち明けようかとも思ったがその度お前たちの笑顔が失われるかもしれないと思うとなかなか言い出せなかった」


 しかしとつづけて父さんは言った。


「あの方を恨んだことはない。最初の頃こそ自分の運命を呪ったが彼女には我々が生きる術を教えてもらった。何より美麗さんと出会わせてくれた。私と美麗さんが出会えたからこそ縁、お前や輪名、宗吾、狩矢。愛しい子どもたちにも出会えた。お前たちの笑顔だけで私は報われたんだよ」


「……」


「どうした?」


「なにこの聖人、怖い」


「何気にお前結構私に毒はくな」


 失礼だけど父さんって意外と感情豊かなんだ。

 結構家族思いだし。


「さて、しんみりとした話は終わりだ。今回の事でお前には新たに任せたいことができた」


 さっきは家族思いだった父だが今は部下をこき使う鬼畜上司だ。

 今回の報告書作るのにも二週間かかったんだぞ。


「次は一体何なんだ。こっちも疲れてるんだけど」


「今回のクローン体、世界が崩壊する条件、そして魔力炉。どれもが今までの我々では到達しえなかった真理や発明だ。偉業を成し遂げたお前が一兵卒扱いってゆうのは無理でな。建前は特務隊として私直轄の部署を作ったから今日からおまえの所属はそこになる」


「建前?本音は」


「もう扱いきれんから勝手にして」


 適当だな放浪者!

 でも父さん直轄の特務隊なら実質何やっても許される。かなり自由が効くから楽しそうだ。


「他の人選は任せる。拠点は、ほれ」


 頭の中に記憶を送られてきた。自分の体験したことのようにわかるから、読みづらい地図よりよっぽど優れている。

 うん?この場所は……

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