煽りの結果
「……」
何とも言えぬ手紙の内容に三人はしばらくの間無言だった。
春馬は煽りまくってる内容に青筋を額に浮かべ、静香は一番お気に入りの弟の書いた文字をニコニコしながら眺め、狩矢は獲物を見つけた狩人のようにギラギラとした目で手紙を見ていた。
「なんだこの手紙は!こちらを舐め腐った文章……所々にある()がまた腹立たしい!」
「春馬兄さんはそんなに怒らない、ぷふっ、おしりペンペンってやっぱり縁は可愛いわね」
「可愛いわね?静香、お前の頭の栄養全部その胸に持ってかれたんじゃないのか?」
「おっと、その言い方は気に入らないわね」
春馬と静香が言い合ってる側で狩矢は先程までの仏頂面が嘘のように楽しげな顔で鼻歌を歌っていた。
「ふんふふーん。やっぱり縁は面白いな。これから楽しめそうだぜ」
このカオス空間は血桜六人衆が来るまで続いてたとかなかったとか。
「報告は以上」
「うん、ご苦労さま奴らは泳がすのか?」
「僕の力がつくまではまだ全面対決は避けるべきだよ」
「確かにあの方と同格の存在なら慎重にしたほうがいいか」
初任務を終えた僕は皆と一旦別れて父さんに報告に来ていた。
「ねえ父さん」
「分かってる。あの方は信用できる方だ」
そうやって盲目的に信じて疑わないから反乱が起きたんじゃないのか?
まあ、今回の女神は疑う要素はあまり無いんだけど。
彼女のお陰もあって新世代の兄弟のすべての所在はすべて分かった。
移動してもわかるように超小型の自立魔道具をくっつけたから、不意討ちにも対応できる。
ダメ元で降伏勧告の手紙を送ってみたけどなんかカオス空間が出来上がったし意味がなさそうだった。
血桜六人衆……全員普通の放浪者で能力は無いが、細かい連携と鍛え上げた魔力で集団なら同数の新世代とも互角以上に渡り合うも言うとてつもない奴ららしい。
それが三人か……不意討ちできればなんとかなるかな?