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慰め

「ただいまー」


「縁、おっつー」


「お疲れ様お兄ちゃん」


 カインさんの家に戻ってきた僕は、みんなからねぎらいの言葉とともに迎えられていた。

 なんだかんだで数カ月かかったから結構精神面で疲れた。


 主に廻理花と輪名と中二にだけど……敵は身内にいたのか!


「縁さん……お父様は死んだのですね?」


 そう言ったのは皆が笑顔の中一人だけ寂しげな表情を浮かべているファルナちゃんだった。

 うーん、サプライズのつもりだったけどこんな顔させるくらいなら本当のことを言うか。


「ファルナちゃん……」


「いえ、お父様が倒されることは既に定められた事です。覚悟はしていました……でも、おかしいですね。涙が、止まらないんです」


 一度流れた涙は止まることはなく、次第に声を上げて泣き出してしまった。

 どーしよ、今更生きてるよーとか言いづらくなった。


(仕方ないねー。少し体を借りるよ)


 その喋り方は愛情?何するか知らないけど、体の操作返せつったらちゃんと返してくれよ。


(分かってるよ。中二とは違うさ)


 ならいいけどさ。

 体の操作を愛情に渡すと、愛情はファルナちゃんを抱きしめた。

 おいー!何してんだ⁉


「ファルナちゃん。君のお父さんは君の中で生きている」


「……え?」


「今のファルナちゃんを見たらお父さんはどう思うかな?」


 臭い台詞だな。てかおっさんは今僕の懐にいるんだが。


(うるさいね。僕には僕のやり方があるんだよ。それに本当の愛の前には言葉なんて些細な事さ)


 くっせえな。


「いつもってわけにはいかないけど、悲しい時は誰かのぬくもりを感じるのが一番だよ。君は一人じゃない」


 愛情は抱きしめる力を強くして、ファルナちゃんの頭を撫でた、


「え、縁さん。……ありがとうございます。心が軽くなった気がします」


 嘘ーん。なんでこんな臭い台詞で心が軽くなるの?


(愛の力だよ。ラブ!)


 やかましいわ!

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