女神降臨
しかしさっきの光は何だったんだ?
マナでは無かったし……おーい、人格ズ。ヘルププリーズ。
(なんだ?エニシ)
「いや、バルスには言ってないよ」
「え?俺何か言ったか?」
「え?」
「え?」
バルスじゃないんなら今のは、人格ズの誰かがモノマネしたのか?
(我々にそんな技術は無い。詳しい事はあの御方から教えてもらえるだらう)
あの御方?どの御方だ?まあ、それなりに予想はついているけど。
『縁さん。遂に世界の意思に認められましたね。おめでとうございます』
「その声……女神なのか?」
いつの間にか僕たちの後ろに立っていた女性に、バルスはそう言った。
見た目の年齢は僕と同じくらい。制服を着ていたらどこでも見る女子高生だ。
あれがこの世界の女神……服装は古代ギリシアのキトンの様な服を着ているし、一般的な女神っぽいと言えばぽい。
「へえ。女神ねぇ。本当のところはどうなのかな?」
『あれれ?ここはもっとこう、うわっ女神様だ!跪かなければ!ってなるところじゃないですか?』
「少なくとも跪かなければとは思わないよ。」
『……まあいいでしょう。あなたの質問に答えます。確かに私は女神ではありません』
「だったら一体何者だ?放浪者ではないだろう?」
抜けてる駄女神みたいな見た目と言動だけど放ってる雰囲気が恐ろしい。
蛇に睨まれたカエルの気分だ。今の僕では手も足も出ずに殺されてしまうだろう。
正直言うと少しチビッた。
『私はあなたたちとあなたたちが住んでいる世界の創造者。普段は外にいるのですが、今はこの子機を使って箱庭にいるあなたたちと話しています』
「つまり上位世界の住人というわけね。道理で勝てる気がしないわけだ」
こういうキャラって最終章辺りに出てくるものじゃないの?登場が早くないか?
『まず私の世界について話さなければいけませんね。私の世界ではどれだけ美しい箱庭を作れるかが競われています。でも箱庭創造にはルールがあって、箱庭を作ったら私たちは手を直接加えてはいけないんです。箱庭の方向性を決めるときには、使徒種族と言う種族を使って箱庭の中の世界を間接的に操作する方法しかないのです』
「つまり、無数の世界が入っている箱のようなものが箱庭、使徒種族は放浪者ってことでいいかな?」
『はい。ちなみにこの箱庭は私があなたたちの概念で言う小学校の課題で作った箱庭です』
僕たちは小学校の課題なのか……なんか複雑だ。
『小学生のペーペーが作ったせいなのか、使徒種族ではあなたのお父様と僅かな時間しか交信できない不具合に苦労しながらも何とか箱庭を安定させることが出来て箱庭コンクールで入選する事が出来たのですが……ハア』
そこまで言って女神はため息をついた。
やっぱりと言うか、父さんはグルだったか。
白街「花粉症が辛すぎるせいで更新が遅れてしまいました申し訳ありません」