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得体のしれないものなので避けます

 よし、これでこの世界が崩壊することは無いと思う。

 ……あ、おっさんの魂が霧散する前に集めないと。


 空間に広がる魂……見えた!魂を僕の掌に集中、まとめた魂を特殊加工した瓶の中へ、この瓶は魂を通さないように内側を魔力でコーティングしてある。


 瓶に栓をしてと、ふう、これで完全に任務完了だ。


「頑張ったなエニシ」


 任務が終わって言い表せぬ達成感に浸ってると、バルスが近づいてきてそう言った。


「ああ、やっとだよ。やっとできた」


「前の反省は活かせたか?」


「……うん。もう二度……バルス?どうして」


 自然と話しかけてきたけど、何でバルスがそのことを知ってる……と言うより憶えているんだ?

 そもそも父さんの模写世界は偽りのコピー世界だ。憶えていることがありえない。


「魔王を倒したときに女神が話しかけてきてな。俺の知らない記憶が流れ込んできた。それとお前たち放浪者のこともな」


「なぜこの世界の管理者に過ぎない女神が僕たちのことを知っているんだ?あれ……他のみんなが固まってるぞ?」


「どうせ女神がなにかしたんだろ。どうしてお前たちのことを知ってるかは分からないな……エニシ。この世界のために戦ってくれてありがとうな。またお前と戦えて楽しかったぜ」


 バルスはそう言って頭を下げた。

 心なしかバルスの雰囲気が模写世界の時に似ている。記憶が入ってきたからか?


「こっちもいろいろ楽しかったよ。ダンジョン作ったりとかね」


「あぁ!それだよ!あんな鬼畜難易度のダンジョン初めてだったぜ。俺が何回死んだことか」


「ふっふっふ。バルスさんや修行が足りませぬな。あれでも簡単な方だぞ。あれは修行用のダンジョンだからな。本気のダンジョンはモンスターの強さも広さも段違いだよ」


「い、言ってくれるな……なんだ⁉体が……」


 バルスの体が突然光りだした。


 光はだんだんとバルスの心臓辺りまで小さくなっていき、バルスから離れ、僕に向かってきた。


「ヒョイっと」


「避けるの⁉」


「当たり前じゃん。こんな得体のしれないピカピカなんて触りたくない」


 しかし光はしつこく追いかけてくるのでひたすら逃げる。

 光と僕の鬼ごっこはしばらく続いたけど、ガキッと僕は金縛りのようなものにかかって動けなくなった。

 そのすきに光は、僕の中にすうっと入った。


「エニシ、大丈夫か?」


「特にこれと言って変わった感じはしないね。強いて言うなら、バルスの中から出てきた物だから少し気色悪いってとこくらい」


「サラッと悪口入れてくるなお前。フッ、嫌いじゃないぜそういうの」


 バルスがグッとサムズアップしてきた。

 模写世界のバルスは少しウザいんだよなぁ。

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