7ごめんなさいでした
私にもフォローしてくださるお方が!
ありがとうございます。
これを励みに頑張っていきますのでこれからも宜しくお願い致します。
どうやら俺達がこの世界召喚されたのは昼頃だったらしく、俺がおっちゃん達と話している間夕達は修行?していたらしい。
スキル、武術、魔法など魔王を倒すために磨いているそうだ。
魔法。いーいーなー。俺も使いたかった。半吸血鬼になってしまったがために出来ないなんて。
まぁ半吸血鬼じゃなくても魔法系のスキル持ってないからやれなかったんだろうけどね。
途中まではおっちゃんと話してたんだけど飽きてきた。なんか暇潰せるのないかなーと身の周りを漁っていたんだけど、召喚される時持ち物ほとんど机の中だったんだよなー。
って半ば諦めてたんだけど、唯一この世界で貰えたものがあったんだよねー。
それはスキルカード。
これ最初自分の種族とかスキルの名前とかしか書かれていないもんだと思っていたんだけど、これスキルの能力も見ようと思ったら見れたんだな。
【吸血】自分以外の生き物の血を吸うことで魔力の回復、傷の修復が出来る。
【蝙蝠化】自分の身体を蝙蝠に変身させることができる。変身時、攻撃力と防御力低下。素早さ上昇。
【血液凝固】自分が目視できる血液を望んだ形に固めることが出来る。強度は使用者の魔力に依存。造形の精密さは使用者の技量に依存。
【鑑定】魔物や道具の説明を見ることが出来る。見える情報の量は使用者の技量に依存。
【視力強化】使用者の目視出来る範囲が広がる。広がる範囲は使用者の魔力、技量に依存。
【直射日光無効】太陽によるダメージが無くなる。
【超幸運】確率が大幅に上昇。
とまぁ、こんな感じ。【血液凝固】は武器を作るのかな?【直射日光無効】って吸血鬼の弱点を無くすってことだよね。だから【陽光無視吸血鬼】か。
なんか【直射日光無効】があるから吸血鬼としてはいいんだろうけど他のスキルを見ると決め手に欠けるって感じがするな。
ってか何?【超幸運】って。確率?何のこと?カジノとか?んー別にいいか。
さらになんか称号にも効果があることが判明した。
【勇者の連れ】
獲得条件 勇者と一緒に召喚される
効果 技量が上昇しやすくなる(微)
【陽光無視吸血鬼】
獲得条件 種族が吸血鬼又は半吸血鬼であり、【直射日光無効】を持つ
効果 時刻が昼の時の身体能力上昇(小)※なお、昼の時刻は10時から15時までとする
おお。なかなかいいんじゃない?特に【陽光無視吸血鬼】なんか吸血鬼の弱点をむしろプラスに変えてるしね。
そんなこんなで遊んでいたらいい匂いがしてきた。
「飯持ってきてやったぞ」
御飯がやってきた。霜月さんがやってきた。そして夕もやってきた。
そういえばご飯お願いしといてくれって頼んだんだった。あと夕のことよろしくって言ったんだった。
「ん」
ひょいっ
ガシャッ
俺は夕の持っている皿を取ろうとしたが、夕が皿を取る瞬間に手前側に引っ込めてしまったので手が皿に届かず勢い余って鉄格子に肩をぶつけてしまった。
「・・・・・・夕・・君?」
「俺な、人から物をもらうのにその態度はないと思うわけよ」
夕が鬼に見える。
「俺さ、今までお前に酷い目に合されまくったなって思うんよ。今までのお返しとしてこれっくらいいいよな」
「ちょっと夕君」
「霜月さんは待って」
何か言おうとしていた霜月さんの言動を遮る。
このまま霜月さんに任せたら確かに夕は反省し、俺はご飯にありつけるだろう。
だが、なんか夕に主導権を握られるのはヤダ。だから
「たしかに夕の言うとおりだ。だからお詫びと言っては何だが昔話を一つ披露しよう」
夕は何言おうとしてるんだこいつっていう風な顔で俺を見てくる。が、俺は構わずに続ける。
「あれは3年くらい前だったかな。ある日1人の少年が歩いていたら運悪く顔のいかついヤンキーみたいな感じの人らとぶつかってしまった。そのあと少年は無事その人らを追い払うことに成功した。その時言っていたのは確か『出たな新たなる魔王の僕どもよ。この俺、ユウグライフ=アルベドールが
「ごめんなさいそれ以上は止めてくださいごめんなさいでした」
急に夕が叫び出し、蹲り始めた。
「紅蓮の炎よ爆ぜろ!全てを焼き尽くせ!ボルケイノ・デス
「やめろって言ってんだろ!?」
ッフ。勝った。
「やる。やるからもう止めてくれ」
と言って夕は皿を差し出してきた。
霜月さんは何のことだかさっぱり分からないようだったけれどそれが夕にとっての唯一の救いだろう。南無。
そしてみんなでご飯を食べた。
さすが王族。いいもん食ってる。
それから雑談を少しして夕と霜月さんは帰って行った。
時刻はどれくらいたっただろう?神秘的とさえいえるような月明かりが兵士たちが居る方とは反対側の外とつながる小さな鉄格子から漏れ出る。
夜。吸血鬼が最も活発になる時間帯。外には一匹の蝙蝠が月を背景に飛び立つ。
コツ、コツ・・・・
遠くから石畳の上を歩く音が響いて聞こえる。
見張りの交代はこの時間ではない。王もこんな時間に牢屋に入れられた吸血鬼を見に来ない。クラスメイトは先ほど夕が来たばかり。
こちらに向かっている足音の主は明らかに部外者。だというのに兵士たちはまるで動く気配はない。
耳を澄ませば足音以外の声が聞こえる。寝息。普通ならば見張りの交代をする前に寝るなんてありえない。
恐らくこちらに向かっている何者かに睡眠系の魔法でもかけられたのだろう。その証拠に俺も眠い。夜に最も活発になる吸血鬼であるはずの俺が。
そして足音の主はゆっくり姿を現す。
腰まで届くような長く流麗な銀髪。血で塗りつぶしたかのような真紅の瞳。赤と黒の元の世界で言うゴスロリの様な服を着た少女。そしてその口は艶美な弧を描き、長い犬歯が顔をのぞかせていた。
ルビ振りがしっかりできていなかったので修正しました。
迷惑をおかけて申し訳ありませんでした。