61 触手×美少女
すみません遅くなりました。
恐らく美少女になったことだし攻撃に耐える余裕も出来た。これでやっと触手×美少女を堪能でき・・・
「もうちょっと絡めろよお前!触手の使い方間違えんなよ!」
『ナギの方が間違ってるわよ!』
「触手の有用性を理解してない奴はこれだから・・・」
ミミックはあまり効きもしない締め付け攻撃をいまだ続けている。ただ締め付けているだけというのが腹立たしいところだ。
ギュウギュウと音を立てているが、少ししか苦しさは感じられない。【痛覚軽減】の働きもあるだろうけど、この体もなりのわりに頑丈なのかもしれないな。それかこの謎物質の服の耐久力が高いのか。
どちらにしろあまり痛くないならそれでいい。・・・が、
「ウザい」
先ほど習得した【空間湾曲】を発動。詠唱無しでやったため、隙を突くのも容易い。
俺を掴んでいる触手をはさむような位置の二つの空間を指定。
瞬間、触手がはじけ飛ぶ。掴まれていた俺ごと。
ゴトッ
「ギシャァアアア゛ア゛ァァ!!」
触手の落ちる音とミミックの絶叫が重なる。
切れた、というかぶちとれた触手の根元から鮮血が舞う。
飛んだ触手は主の感情を代弁するかのように激しく暴れまわる。おかげで逃げだすときに何か所かぶつけた。
「トカゲの尻尾かよ」
と、悪態をつきながら【血液支配】でしぶきとなっている血を回収する。
〈【悪魔吸血】並びに【超幸運】の使用を確認〉
〈スキルの獲得・・・成功しました〉
〈スキル【偽装】の劣化スキル【偽り】を獲得しました〉
【悪魔吸血】のもう一つの能力体力回復と【再生】の効果が相まって先ほどの痣が綺麗になくなった。
「お?【偽り】ね。【偽装】欲しかったから丁度いいや」
暴れ狂う触手の攻撃を避けながら【空間湾曲】を連続して発動させる。
ミミックは【怒】を使っていないのか理性があるようで、それを避けながら触手を攻撃してくる。
さっきは不意を突く事ができたからうまくいったが、【空間湾曲】は空間を指定し、そこを湾曲させる魔法なのでその空間を避ければどうという事もない。更に指定した空間に魔方陣が浮かぶので注意していれば避けられないこともない。
微妙な能力ですこと。この密閉された空間じゃそうでもないけど。
鞭のようにしなって打ち付けられる触手を避け、【空間湾曲】。そこに伸びてくる俺を捕まえようとする触手に対し、自分を囮にして触手の伸びてくる直線状に【空間湾曲】を発動させ触手の動きを変えることで避ける。
その攻防を続けていくと次第に終わりが見えてくる。
前左右を触手に囲まれ後ろは壁に阻まれた。
まさに袋の中の鼠。だがそれはあっちも同じ。
俺は口の端を笑みの形に変えると、発動している魔法をすべて解く。
直後空間が暴れまわる。大気が震え、多方向に力が働き、触手が舞い散る。
【空間湾曲】によって曲がりに曲がった空間全てが元に戻ったのだ。伸ばしたゴムが元に戻るよう力が働くように。固定されていた力が外れた空間はそれとは比べ物にならないほどの力でもって元に戻ろうとする。そこに何があろうとも、何もかもを巻き込んで。
避ける間に乱発したおかげでミミックの巨体がのがれる隙間が無いくらい空間は曲がりまくっていた。
宝箱の体があらぬ方向に凹み、触手のほとんどを無くしたミミックを見る。信じられないことにまだ息をしていた。虫の息ではあるが。
「凄い体力だな」
『さすがDランクと言ったところね』
「あれ、褒めるなんて珍しいね」
『そうね。この魔物には敬意を払うわ。あの猛攻を受けてまだ生きてるんだもの。逆にあれだけの攻撃をして倒せなかったナギにはそんなものかけらも思わないけどね』
「返す言葉もございません」
でもね、こっちの言い分も聞いてほしい。あれだけの歪み全てが急所に当たらないとか思うわけないじゃん。
てか急所じゃなくても死ぬわアレ。どんだけ運いいんだよ。【超幸運】持ちの俺ですらびっくりだわ。
「あっ!」
『!?なに?』
「よく考えたら俺が美少女になってるんだから触手×美少女出来ても見ることできないんじゃん!」
『まだその話してたの!?』
【空間把握】を使えば大体の事は想像できるんだけど、やはり実際に見るのとじゃ訳が違うし・・・カメラみたいな記憶媒体この世界で作れるかな?
「取り敢えず一思いにやってやるか」
後の事は後に考えるとしてまずとどめをさしてやることにする。
そこら辺に散らばっている血を固めて貫かせる。・・・つもりだった。外殻が硬すぎて刺さらなかったのだ。俺の技量がまだ低いという事か。
仕方なく内臓を湾曲させて内側から蹂躙することにした。
今思ったけど魔物とはいえ俺って命奪う事にためらったことなかったな。小説とかでは多少なりとも嫌悪感出すもんなんだけど。
〈技量の上昇を確認。スキル【無慈悲】を獲得しました〉
取ってつけたように来ましたね。自覚することが必要だったりするのかな?
〈存在値が一定に達し、特殊条件を満たしました。アシュタロスダンピールへの進化が可能です。進化しますか?〉
ハイきた進化。前回拒否権解かなかったのに今回あるのはなぜ?特殊進化だから?まぁいいか。選べるんだったらもちろん―――
「進化拒否で」
『ですよねー』
あったりまえじゃん。アシュタロスって絶対あのストーカーに関係ある事でしょ。そんなんにわざわざなりたがるかってーの。
『今思えば【アシュタロス】のスキルを渡したのはマスターがこれに進化することを狙ってたんでしょうね』
「いや、ないだろそれは」
『そうね。あいつの事だから面白いからって理由の方が大きい気がするわ』
ホントはもうちょっと多くする予定だったんです。でも眠たくて・・・申し訳ございませんでした。




