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5ちびるところだったわ

・パソコンを立ち上げる

・なんとなく小説情報を見てみる

・ブックマーク登録:3件

・テンションが上がって執筆↼今ここ

~霜月理須奈目線~


 「じゃあ固有スキルってなんですか?」


 そう言ったのは確か緋月凪と言う人だったでしょうか・・・・?


 私はクラス全員の名前を憶えているわけではないのでうろ覚えですが、多分そんな名前だったはず。


 ・・・・・・・ごめんなさい、嘘です。


 全員の名前は憶えています。あともう少し言うなら、緋月凪君だけは絶対に覚えてない、忘れると言ったことはあり得ません。


 ・・・・・・・えぇ、そ、そうですよ。す、好きですよ私は、緋月君のことが!なんか文句あります!?


 理由?そ、それも追々説明しますから。話題が明後日の方向に変わってしまったので、戻しますね。


 その言葉を聞いた瞬間、明らかに王様の顔が驚きの表情に変わりました。なぜでしょう?固有スキルなんて私は持っていませんが、私たちのクラスは結構沢山の人が居ますから、そんなの一人や二人いてもおかしくないはずですが・・・・?


 「ち、ちなみに種族はなんじゃ?」


 何を言っているのでしょう?そんなもの人族に決まって―――――――


 「?半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)ですが・・・?」


 「「「「!」」」」


 その瞬間、周りの鎧たちが一斉に動き始めた。やはり、兵士だったようです。


 五秒もたたないうちに緋月君の周りを兵士が囲み、槍を突き付けている。


 「その者をとらえよ!」


 「「「「はっ!」」」」


 は?


 緋月君は始めは抵抗しようとしていたが、兵士があまりにも多く、すぐにあきらめて手を上にあげた。


 兵士たちはその手を素早く後ろの方に回し、枷をはめた。


 「半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)の捕獲完了致しました。」


 隊長格の兵士が王に敬礼し、そう言ったところで私は我に返った。


 「ちょっと待ってください!彼が何をしたというのですか!?たとえ王といえど理由もなしにこんなことをするのは、いかがなものですか!?」


 半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)と言った瞬間に兵士は緋月君を囲みました。という事は、半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)が何か関係しているはずです。人族ではないから?それにしては反応が過剰すぎる。人族に恐れられている半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)。まさか魔王って・・・・!


 「すまぬ勇者達。今代の魔王は吸血鬼なのじゃ。そのため例え勇者の仲間であっても、吸血鬼の血が流れておる以上は目の届くところで監視しておらなければならん」


 今代の魔王は吸血鬼。確かにそれならば緋月君を捕らえる理由にはなる。でも・・・・。


 「ふむ、これは迂闊だった。まさか固有というのは種族固有という意味だったか。異世界に来て浮かれすぎたみたいだな」


 そういう緋月君の犬歯はやはり吸血鬼と同じように長かった。


 「半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)ァ?んなの知るか!吸血鬼でもここに居るんだし、まだ魔王軍なわけじゃねぇだろ!」


 今のは緋月君の親友の篠村夕だろう。私も彼と同意見だ。


 「彼のいうとおりです。そもそもあなたは私達が暮らしていたところを勝手に呼び出したのです。家族とも離れ離れになったし、いつ命を失うかもわからないようなことをさせようとしています。その上なんなんですかあなたは!?自分から呼び出したのに捕獲?身勝手が過ぎるとは思わないんですか?」


 「それは儂も思うが仕方なかろう!」


 この男は何を・・・。


 「霜月さん?」


 緋月君が目の前に居た。


 「な、なななな・・・・・」


 「冷静さを失うのは霜月さんっぽくないと思う」


 そこで初めて分かった。今私は自分の感情をぶつけて冷静さを欠いていた事に。


 「おぉ、やっと戻った。怖かったわー、もうちょっとでちびるところだったわ」


 「何を笑いながら・・・・・」


 分かっている。この人は場を和ませる為にこうやって冗談を言う。昔から・・・・・。


 「いや、俺捕まっちゃうっぽいんだけどさ、霜月さんの言うとうりだと思うわけよ。だからさ、王様に後から三食昼寝おやつ付きなら良いって言っといてくれよ。それぐらいは妥協してもらわないとな」


 そんなこと元の世界に戻れば叶うのに、なんでそれっくらいで・・・・。


 「分かりました。後から王にそのように言いましょう」


 「ん。あ、あとさ夕ってわかる?あの盛大に振られた人w」


 考えないようにしていたのに。


 当の夕君本人は「やめてくれー!」と泣き叫んでいるが、緋月君はお構い無し。本当に仲が良い。


 「あいつ俺が居ないとああやって泣きっぱなしでさ」


 それは違う理由だと思う。


 「だからさ、俺が居ない間あいつの面倒見てやってくれよ」


 それはなかなかめんどく・・・じゃなくて気まずい。


 「面倒くさいかもしれないけどさ、あいつ良い奴だからさ。頼む」


 「面倒!?」


 「分かりました」


 「まさかの肯定!!」


 そこまで言われたらやらざるを得ない。


 そして話は終わりとばかりに緋月君は兵士に連れてかれていった。


 途中までその背中を見てたが彼は振り返ることはなかった。そんなところがまたかっこいいと思ってしまったのは秘密だ。


 私は王様の方に顔を戻した。


さて、約束を果たしますか!

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