39 【血液凝固】最強説
双頭毒蛇は油断している。
麻痺は動けないだけであってスキルは使えるというのに。
もう吸血鬼とかバレてもどうでもいい。ソラとパルを守れるのならば。
これより【血液凝固】を解禁する。
使うのは背中の血ではなく、口の中の血。
【血液凝固】細針。
徐々に口の中の血が固まっていき、高速で口の外へと出て行く。
口を開いたまま麻痺っててよかった。
長い針は一直線に双頭毒蛇の右頭瞼を捕らえる。
体は固そうだったためそこを狙ったのだが当たりだったようだ。
「シャッ」
蛇は攻撃されるとは考えてなかったらしく、短く驚きの声を挙げ後退する。
だが遅い。俺の目的はすでに達成されている。
血が細針に滴り、口の中に運ばれていく。
散々食ったことのある独特の不味さが口の中に広がる。
そして麻痺が解けかけているのかトクンと喉が鳴る。
〈【悪魔吸血】並びに【超幸運】の使用を確認しました〉
〈スキルの獲得・・・成功しました〉
〈スキル【麻痺毒霧】の劣化スキル【麻痺毒吐息】を獲得しました〉
【麻痺毒吐息】か。また使い易そうなのが来たのは嬉しい。
お返ししようかな。
【悪魔吸血】のもう一つの能力、傷の再生の力で麻痺はもうとっくに解けている。麻痺って軽傷か?とも思わなくもないが、回復したのでまぁそういう事なのだろう。
仮定が大事なのではない。結果が大事なのだ。
というわけで蛇が驚いている内に立って【麻痺毒吐息】をしますか。
発動は【毒霧吐息】と同じだったので簡単に出来た。ただ色が違うだけ。
出て来た霧が寸分違わず蛇に命中し、包み込む。
それと同時に蛇に向かって走る。
俺のスキルは所詮劣化スキルだし、相手は毒属性。1秒くらいしか麻痺させられない確率は十分にある。
予想通り俺が着くころには麻痺が解けていた。だがここまでくれば十分。
「【血液凝固】刀」
背中の血が刀の形を作り、俺の手に収まる。
狙うは左頭。目に刺されば尚良い。目が四つある時点で不利だったからな。少しでも視界を狭めれるのならそれに越したことはない。
そう思いながら放った突きは残念ながら頬に刺さるに留まった。
目を狙うのはついでのつもりだったし、左頭には当たったので別にいい。
ところで魔物に酸素は必要だと思うか?俺は分からない。
なぜこんな話をしたかというと、今から実験するからだ。
「【血液凝固】顔面密閉器具」
蛇の左右の頭の出血量が多くなり、頭部を包み固まる。
「~~!!~~~ッ!」
声がくぐもって何を言っているのか分からない。どうせシャーとかだろうけど。
もうこれで俺の勝ち。
蛇の最大の脅威であった毒刃口からしか出せない。この状況で出そうものなら自分に被害が出る。
目も血で隠されているため視界を封じる事も出来ている。
そして酸素を必要とするなら酸欠にする事も出来る。
しかも残りの全魔力を注ぎ込んでいるため、ちょっとやそっとじゃ壊れない。
【血液凝固】最強説ここに爆誕。
蛇はもう発狂してんじゃねと思うほど暴れまわっている。
だがそれは見えている俺には当然届かない。あとは逃げ回るだけ。
数分経過すると蛇は大人しくなった。死んだわけじゃないだろうから今のうちに留めをさしとくべきかな。
とも思ったけど魔力もうないんだよね。【悪魔吸血】で回復させようか。ついでに貧血死にさせてもいいかも。
【悪魔吸血】ってスキルの獲得、傷の回復、魔力の再生と一石三鳥という凄いスキルだよね。
そして蛇は息を引き取った。
〈存在値が一定に達しました。進化を開始します〉
へ?
あ、やば。ねむ。俺、【睡眠耐性】・・・持って、なかったっけ・・・。
その思考を最後に俺の意識は遠く離れていった。
〈半吸血鬼から半血鬼への進化に成功しました〉
〈進化報酬が発動。低確率かつランダムで所持スキルを進化させます〉
〈【超幸運】の使用を確認〉
〈【血液凝固】の進化・・・成功〉
〈スキル【血液凝固】がスキル【血液支配】に進化しました〉
〈支配系スキルの獲得により更に存在値が上昇しました。進化報酬が発動〉
〈【超幸運】の使用を確認〉
〈【超幸運】の進化・・・失敗。【鑑定】の特殊進化条件が満たされています。【鑑定】の進化・・・成功〉
〈スキル【鑑定】がスキル【鑑定】に進化しました〉
〈半血鬼への進化により眷族系スキルの獲得ができます。スキル【眷族】の獲得・・・失敗。【眷族召喚】の獲得・・・成功しました〉




