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38 不味いらしい

~パル目線~


何あの【毒霧】。さっきまで使っていたのと色が違う。


【毒霧】の濃い紫に黄色が混じったかのような色。


そしてそれをくらった凪はピクリとも動かなくなった。


あれは麻痺状態。という事は


「【麻痺毒霧】か。あそこでやる必要はなかったと思うが・・・なるほど食う気か」


今私はダータイトの近くにいる。


逃げたわけではなく、飛ばされた先がたまたまここだったのだ。


「どういう意味よ」


自然と言葉が漏れた。ダータイトの話が気になったのは確かだが、ダータイトに毒適正はなく、聞こえるはずもないのに。


だがその考えを打ち砕くようにダータイトは続けた。


「あれを見ればわかるだろう。ユウナギにもう抵抗する気力はなかった。倒すためなら【毒霧】で終わらせる事も出来た。そうしなかったってことはそう言う事だろう。毒をくらったものは不味いらしいからな」


ダータイトが言っている事はもっともだ。


「私が見えるの?」


今は凪が大変な時なのにそんなことを聞かずにはいれなかった。


「見えている。だが適性があるわけじゃない。【霊覚】を使っているからだ」


確か【霊覚】は死霊属性のスキルで、霊に対する5感が働くというものだったはずだ。精霊も霊と入っているが、まさかそれでほんとに見れているとは。


自分から聞いておいて失礼だとは思うが正直言ってどうでもよかった。


「もうそれはいいわ。端的に言う。助けて」


「断る」


即断?!


「このままだと凪は死ぬわ。目の前で助けることのできる人を助けようとしないなんて器の小さい人間ね」


「何とでも言え。だがユウナギは覚悟はできていると言ったぞ」


「・・・っ!」


何も言えない。


ダータイトの言う事はどれも正論だからだ。


ここで凪を助けてもらったとして凪のプライドは?命に比べたらそんなものとも思うがそれで凪が納得するか?しない。


はっきり言いきれる。なぜなら私は凪がどんなことを考えてたか知っているから。


今の凪の状況を救えない自分が腹立たしい。


近づけば解毒も出来るだろうが時間がかかる。麻痺の時間は数秒。それなら解毒なんて必要ない。というより行ったとしても格好の的になるだけ。


「そう落ち込むな。俺らだって助けたくないわけじゃない」


その時見たダータイトの腕は震えていた。


「カッコつけてたくせにカッコわるっ」


「フンッ。違いない」


エイリャは・・・あ、ダメだ。もう足は助けに行きかけてる。ダータイトに腕を引っ張られてかろうじて行くのをとどまっている感じ。


「俺らはあいつの覚悟を、プライドを気づつけることは出来ない。お前は俺らに助けを乞うのではなく、他の自分に出来ることをやるべきではないか?」


私に出来るのはせいぜい数発【毒弾(ポイズンショット)】を撃つことだけ。


でもそれはちゃんと出来る事なのだ。ならそれを精一杯やるべきだろう。


「分かった」


と言ったが、ダータイトの様子がおかしい。


ダータイトは凪の方を見て固まっている。エイリャも。


「何だ、あれは・・・?」


何って・・・?!


ダータイトにつられて凪の方を見ると映った光景は


凪の口から赤いものが飛び出し、双頭毒蛇(ツインヘッドコブラ)に突き刺さっているというものだった。





~緋月凪目線~


体を動かそうとしても揺らす事すらできない。


目の前のクソ蛇は舌をチロチロ出して満足そうにしている。


するといきなり口を大きく開けた。


「何をする気だ」と口に出そうとしたがその口は動かず、結局何も言えなかった。


いや、言う必要はない。


なぜならこいつが今から何をやろうとしているのか分かったから。


こいつは俺を食うつもりなのだ。


今更抵抗する気にはならない。


散々魔物を食ってってたからな。俺がこいつに食われたとしてもそれは自然の摂理なのだろう。


だが俺が死んだらソラやパルはどうなるだろう。


悲しむだろうか。


ふいにソラとパルが涙で顔を濡らす光景が浮かんだ。


俺は何泣かせようとしてんだ。


精霊王が守らなければいけない者は精霊。なら俺は?ソラとパルだ。それを一人にしていいわけがない。


何が今更抵抗する気はないだ。抵抗するに決まってんだろ。


もう正体がバレるとか知ったことか。

ついにこの時が来てしまった。

テストの時期が。

これから私はテスト勉強に明け暮れなければなりません。

本当に申し訳ないのですがしばらくの間二日に一回の投稿になってしまいます。

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