36 面白さ
【毒霧】が目前まで迫る。
それを思いっきり左に飛ぶことで回避―――できませんよね。広範囲攻撃ですもんね。
【毒霧】をくらった両足が紫色に変色する。
「「キモッ」」
パルとハモった。
「パルさん酷いです・・・グスン」
「あんたも言ってたじゃないの」
「またくるよ」
と今度はソラが教えてくれたので回避に成功する。
少し足が鈍くなったがパルが解毒してくれるから大丈夫だろう。時間かかるけど。
「取り敢えず【鑑定】しようか」
「あんたの【鑑定】役立たずじゃん。どうせ『二つ頭の蛇みたいなヤツ』とかそんな感じでしょ」
『結果:うわっ頭二つ生えてるキショッ』
「文だよそれ!名前どこ行ったの!?」
「そうきたか。なるほど面白いじゃないか」
「何か認められてるんだけど・・・。あんたの【鑑定】絶対可笑しいって」
「俺の【鑑定】さんをなめるな!」
「逆ギレしないで頂戴。いい?【鑑定】っていうのはこういうのを言うのよ」
『結果:双頭毒蛇
ランク E
種族 魔物、蛇』
「つまんな!」
「普通はこういう能力なの!あんたは【鑑定】に何を求めているのよ」
「面白さ」
「だからこんなクソスキルになんでしょーが!」
つまり俺が真面目な情報を欲していないからスキルが自動的に変化したと。ありえねー。でも実際そうなってんだな。
そろそろ避けんの辛くなってきたな。
お、良い事思いついた。
詠唱を始める。
その間に双頭毒蛇はまた【毒霧】を放つモーションに入る。
こいつのスキルのレパートリーって【毒霧】しかないのかな。
【毒霧】が放たれるのと同時に詠唱も終了する。
「【異空間収納】」
空間にひずみができ、別空間への穴を作る。
【毒霧】はその穴に跡形もなく吸いこまれ、消滅する。
やっぱり放出系の技とかも収納できるんだこれ。
詠唱もしないといけないから戦闘での運用は難しいかもしれないけれど。
ま、俺にはソラがいるから難しかろうがやるがな。
「ソラ、今のできそうか?」
「えいしょうにしゅうちゅうして、さんぱつにいっかい」
「じゃあ体に入って使ってくれるか?」
詠唱中に攻撃されない保証はないからな。
「ぱるちゃんみたいにわすれないでね」
「約束する」
「ちょっと!私の扱いは?!」
パルはいじっていいキャラと思っています。
「そう。あなたにとって私はそういうキャラなのね」
パルさんエスパーですか?それともマジで念話使っちゃってる?
とかしている間に【毒霧】が放たれたで回避。
ソラはもう体に入っている。
「パル、取り敢えず【毒弾】で反撃していくぞ」
「毒はあまり効かないんじゃないの?」
「そう。だから毒が目的じゃない」
「あーなるほど。じゃ毒の強化にまわす魔力は必要ないわね」
パルさん何でそれだけで考えてることが分かるんですか。エスパーですか。いや、ただその考えに自分でたどり着いただけですね。
詠唱。次に使うのは毒の魔法。
空間魔法より早く詠唱が終わる。
毒魔法優秀。空間魔法が遅いだけかもしれんけど。
「【毒弾】」
目の前に球状の毒の液が現れる。
そしてそれが凄い速さで双頭毒蛇に衝突する。
「「シャァァァァ」」
これで初めてダメージを与えることに成功した。
普通の【毒弾】ではこれほどのダメージを与えることは出来ない。普通の【毒弾】は毒を与えるものだからだ。
今俺がやったのはパルの言う通り毒の強化に使う魔力を極限まで減らす事。
そしてその魔力を発射速度と球体の維持にまわしている。
毒という属性攻撃ではなく、単なる物理攻撃だからダメージを与えれたのだ。
最初はこの戦闘では使えないと思っていたけど、やりようによっては使えるな。
まあこれもパルの補正があってこそできたのだがな。
さあ、ここから巻き返していきますか。




