3お前じゃねーのかよ!?
「勇者召喚ってどういうことですか・・・・・・?」
恐る恐るといった感じで霜月が王に質問していた。
「ん?・・・・・・・あぁ、そうだな。詳しく説明しよう。・・・・・・・・・・・・・儂の娘がな!」
お前じゃねーのかよ!?
クラスのほとんどの奴がそう言いかけていた。
ぐっと堪えたのは一応王様だからと思ったからだろう。
まぁ、夕は「おま」まで言ったけどな。
もはやこいつのツッコミは反射の域に達しているのだろう。お前はよく耐えたほうだと思うよ。同情はしないが。
視線を王の隣に移す。
瞬間、クラスの男子ほとんどの奴が息を飲んだのが分かった。
優しそうな印象を与える顔、腰まで下ろした金髪、白いドレスに身を包んでいる。十分美女の域に達していると思われる女性がそこにいた。
「それでは説明させてもらいます」
声もよく通る凛とした声だった。
話を要約すると、まずここから遠く離れた場所にある魔族領でこれまで見たこともない魔物が現れたらしい。その魔物たちは近くの村々を襲っているらしい。
その魔物達は新しく現れた魔王が創り出したもので、村々を襲っているのも魔王の命令らしい。
そこで遠い昔、魔王を倒したとさせる勇者が勇者召喚でこちらに来た異世界人だと知った王はもう一度勇者召喚を行ったという事らしい。
らしいばっかりだな・・・・・・まぁ俺たちが実際に経験したわけじゃないから仕方ないか。
ベタだなと思ったが、それは皆も思っているだろうと思い黙っておいた。
「それでは今からスキルカードと呼ばれるものを配布する」
そう王が言った後どこから現れたのかローブを被った男が皆に何かカードのようなものを配り始めた。
それは皆が手に取ると小さく輝き始めた。
俺もローブを被った男からそれを受け取ったが、やはり光り出した。
暫くするとその光は消え、文字が刻まれていた。
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ヒヅキナギ(緋月凪)
種族 半吸血鬼:人・鬼
スキル
オリジナル
【超幸運】
エクストラル
【直射日光無効】【視力強化】
ノーマル
【鑑定】
固有
【吸血】【蝙蝠化】【血液凝固】
称号 【勇者の連れ】【陽光無視吸血鬼】
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うおっ、すげー、スキルとかあんだー(棒)
・・・・・・・・・・・・半吸血鬼ってなんぞ?
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種族 半吸血鬼
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