23 蛇っぽいヤツ
何はともあれ二層だ。
獲物はもう【空間把握】で見つけている。
この階層で一層と違うのは迷路がより複雑になっている事だ。
よって直線の道もないため、【視力強化】では見つけられなかった。
その獲物に意識を向けるといろいろな数値が出てくる。というのが今までの【空間把握】の使い方だ。
だがこれでは数字が多くてまいるだけである。
なので俺は一層にいた時いろいろと試行錯誤をしていた。
その結果、シルエットを見ることに成功したのだ。
影絵みたいに黒で塗りつぶされているが、このままいけばそのうち色も見る事が可能になるだろう。
そしてその魔物だが、初めて見る奴だった。いや、ゴブリンとホブゴブリンにしか遭ったことないんだけどね。
手足はなく、長い胴体を引きずって移動していた。簡単に言えば蛇っぽい奴だ。
大きさは元の世界の蛇に比べればやはり大きい方で、胴の長さが俺の太ももくらいある。
「この見た目だと十中八九毒系のスキル持ってるよな。毒のダンジョンだし」
「【かんてい】する?」
【鑑定】はゴブリン戦でずっと使用していた。その為少し技量が上がっている。
この【鑑定】でゴブリンが魔物から小人サイズのやつになっていたから間違いない。
てか雑だな。【鑑定】してもこんなんだったらやらなくてもいいような気が。
技量上げたいし、もしもの事もあるのでやるが。
まぁ。【空間把握】と【鑑定】は連動できないからここではやれないけどな。
「さっきから何二人だけで話してんのよ」
そういやこいつ【空間把握】できねぇんだったな。
「魔物がいるんだけど【鑑定】しようかって話してたんだよ」
「どこにいんのよ」
毒の精霊は目を凝らして魔物を探している。
壁一枚くらい挟んでいるから見えるわけないんだけどな。
だからと言ってからかわないわけないが。
「お前あれ見えねぇのか。老化でも始まっているんじゃないか?今何歳よ?」
「え?老化?そんな。私生まれてから三百ッゴホン。二十年じゃなくて・・・レ、レディーに年をきくなんてサイテーのクズね」
いやそこまで言ったら三百超えてるって素直に認めろよ。
「三百年か。それだけ経ったら老化も始まっているな」
「えっ。ほんとに老化?じゃなくて私はそんなに年くってないわよ。このクズっ!」
最近こいつの毒舌のレパートリー少なくなってるな。
「取り敢えずここで何もしないよりは行った方がいいよな」
「そうだねー」
「さらっと無視してんじゃない!」
【鑑定】
『結果:蛇っぽいヤツ』
俺と同じ思考だった。
目視できるほど近くに来たので【鑑定】を使ってみたがご覧の通りの結果になりました。
せめてランクだけでも知りたいな。ホブゴブリンの時みたいに進化してるとかあるかもしれないし。
だがその考えは杞憂だったようだ。
「なんだ弱毒蛇じゃない。こいつならGランクだし余裕ね」
毒の精霊さん?何で知ってるんですかね。
その言葉通り蛇は弱く、後ろから頭を押さえると身動きできなくなった。
ジタバタもがいてるんだけど力が弱くて逃れられない。
もしかしたら【陽光無視吸血鬼】の効果が出ているのかもしれないんだけどね。
ここは陽の光が当たらないからいまいちわからないんだよな。
取り敢えず【悪魔吸血】させてもらいましょう。毒もってそうだけど大丈夫かね。
カプッ
マズッ。まだゴブリンの方が美味しいよ。あれも不味かったけど。
毒の精霊が何やってんのこいつみたいな顔で見てくる。
「何やってんのこいつ」
いったし。まぁ。無視。
〈【悪魔吸血】並びに【超幸運】の使用を確認〉
〈スキルの獲得・・・失敗しました〉
マジかよ。味も不味ければ価値も無いって酷くね。
「どうだった?」
「ダメ」
「おいしい?」
「不味い。まさか食うつもりじゃないよな?」
「おいしそう!」
毒もっていそうで怖いんだけど。あ、だとすると俺もヤバいわな。
「あなた大丈夫なの?」
「心なしか気持ち悪い。ソラは食べて大丈夫かね?」
「自分の心配しなさいよ。・・・なんでソラにはそんなに優しいわけ?」
「ん?」
最後の方は声が小さくて聞き取れなかった。
「何でもない。ほら、身体見せて。弱毒蛇くらいの毒だったら解毒できるから」
「ほんとか?ありがとな!」
「っ!」
顔が真っ赤になった。毒の精霊は肌が病的なまでに白いからこうゆうのすぐわかるな。
「何だ照れてんのか?」
「ばっかじゃない?!それよりほら早くして」
「はいはい」
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~毒の精霊目線~
な、ななな何あれ!
あんなの反則だよ?!
はぁ、落ち着こう私。
少しお礼を言われたくらいでおとされそうになっちゃうなんて・・・。
あれは、えーと何だったっけ?そう家畜!
あれは家畜だから気にする必要ないんだよ!!




