22私のことは遊びだったのね
あの後、一応他の壁も壊そうと試みたが見事に傷一つつかなかった。
やはりゴブリン達がいたのは隠しステージだったということだろう。
そして俺たちは今2層への階段の前にいる。
【空間把握】の技量が上がり、範囲が広がったことと最下層で難易度が低い事もありすぐに見つけることができた。
1層ではあれからゴブリンにしか遭わなかった。
そのゴブリンに【悪魔吸血】を行った結果以下のスキルが手に入った。
【短剣術】×1【微毒刃】×2【警戒(弱)】×2だった。
【短剣術】は【剣術】から。【微毒刃】は【弱毒刃】から。【警戒(弱)】は【警戒】から獲得できた。
複数獲得したら統合されて技量が上がるみたいだ。
【微毒刃】は【弱毒刃】に統合され、技量が上がり毒に【弱毒】が追加された。
他にゴブリンしか出なかったということは最初に遭遇したホブゴブリンは何らかの要因で進化したんだろう。
本当、1層目からのFランクとかやめて欲しい。初見殺しにも程がある。
後、ゴブリンしか出なかったおかげで今の手持ちのゴブリンの魔石は114個となっている。
その魔石は新しく習得したスペル【異空間収納】によって持ち運んでいる。
この【異空間収納】は便利で、ものを出すときと入れる時しか魔力は使わない。また、説明文に生物は入れることができないとあるが、ゴブリンの死体は収納できた。
【悪魔吸血】と同じで生物の定義は生きているということらしい。
とまぁそれはいいとして、今は階段だ。
やっと40層までという長い道のりの一歩が踏めるというわけだ。
一段一段確実に踏み込んでいく。
何段か登ると出口が見えてきた。
我慢できなくなって走り出す。
「ちょっと!早い!!愚民のくせに。待ちなさいよ!」
毒の精霊がなんか言っているが基本こいつは無視していた方が面白くなると1層を共にして学んだ。
もっとも、それがなくてもこの高揚感のある内は完璧に聞こえないだろうが。
そう。俺は興奮しているのだ。
らしくないと自分でも思う。だが男というのは冒険に憧れるものだ。
それに正直、石の迷路も飽きてきたというというのもある。
そんな期待を胸に飛び込んだ2層には・・・1層と同じような石の迷路が広がっていた。
「・・・」
なんか人生って、こう、上手くいかないものだね。
俺の肩に乗っかっているソラは「やったーにそうだー」とキャッキャッとはしゃいでいる。
やっと追い付いてきた毒の精霊はぜぇぜぇと荒い息を吐いている。
「ソラ。毒の精霊が荒い息を吐いてソラを見てるよ。もしかしたら毒の精霊って同性愛者なのかも?」
「ほんと!?」
「だまらっしゃい!あんたのせいでしょ!」
「そんな!まさか俺の体に興奮してたの?引くわー」
「黙れ!死ね!」
「酷い。私のことは遊びだったのね。よよよ・・・」
わざとらしく地面に崩れ落ち、泣き真似をし始める。
「ナニ致したみたいに言ってんのよ!まだそういう関係じゃないじゃん!」
「聞いたソラ?まだだって。いつかはそういうことするつもりなんだって。ヤバイ俺狙われている」
「やったね!」
「っ~~い、今のは言葉のあやじゃないの!」
気づいてください。その言葉のあやを使って俺に付きまとっているのは誰なのかを。
そしてソラはなぜそんなに嬉しそうなんですかね?多分ソラのことだから『言っとる意味は分かんないけど笑顔で相槌を打てば何とかなるよね』とかそういうことなんだろうけど。
ちょっとテンションが下がったから気分転換に毒の精霊いじって遊んでいたら思った以上に楽しかった。
契約したとしたら毎日こんなことができるのだろうか。
だとしたら契約するのも悪くないと思わなくはないと思ったり思わなかったり。




