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プロローグ
そこは豊かな森であふれていた。
動物も人族も亜人種も。全ての者が好む大地、それがそこにはあった。
だが、ある時大地は割れた。
大地が割れ、木が廃り、空気が汚れる。
慌てて動物たちは逃げようとするも、揺れで満足に動けず、なすがままに足場を失ってゆく。
逃げ切ることが出来た動物はいたが、元の数の大多数が大地に飲み込まれていった。
ふと現れたこの災害はそれまでそこで暮らしていた生き物の生活をいともたやすくぶち壊した。
しかし、それはまだ序章に過ぎなかった。
台地に走ったその亀裂から今度はこの世のものとは思えないようなまがまがしい生物が出てきたのである。
ある物は大きな翼に鱗を持ち、ある物は長い胴体に二つの頭を持つ。
この世には存在しよう物のない物達が周りの動く物の全てを蹂躙し尽くした。
その光景を遠く離れたところから見ている影が一つあった。
「とうとうこの時が来た。これで世界は私のものだ・・・・・・」
影は独り言のようにそう言い、どこかへ姿を消した。
処女作です。
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