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だから教えて~!

桜庭三姉妹の許可を得て、天衣は普段通りバイトができるように!

夏休みも中盤! さて今日のルナティックハウスは……?

暑中お見舞い、申し上げます。

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

ちまたはお盆にもかかわらず、今日も今日とてバイトに……


「あ、如月さん。お疲れ様です」


「久々の学校はどうやった? って……むむ? 如月ぃ、顔死んどるで」


そういう二人の声が、聞こえなくなりそうになる。

私は精神を保ちながら喫茶店に入るので、精いっぱいだった。

さすがに私の様子を見て、天衣さんが心配そうに近づいてきた。


「大丈夫ですか? 何かありました?」


「……たいしたこと、ありません」


「遠慮せずに言うてみ? 先輩としてうちらが聞いたる!」


ううっ……この優しさが痛い……


「実は、今日補修があって……その時に数学のテストをしたんです」


「テストぉ? まためんどうなことしたなぁ」


「それで、結果はどうだったんですか?」


「……八点でした」


「ええ!?」


二人の声が、同時に重なる。

そう。私としたことが、また史上最低点数を更新してしまったのだ。

今までに十五点とかはあったけど、一桁は初めてだ。

嗚呼、死にたい……


「如月! 八点くらいで落ち込んどるんやない!」


「美宇さん?」


「うちなんて、四点取ったことあるで!」


そ、そこは威張るとこではないのでは……


「美宇ちゃん、全然フォローになってないです……」


「ええやろ~? 下には下がいるもんや」


「それを言うなら、下じゃなくて上じゃないでしょうか?」


天衣さんの答えに同意するようにこくこくうなずいてみる。

彼女はやけくそのように大きな声を上げた。


「別にええやろ! 過ぎたことを悔やんでもしゃあない! んでそんだけか?」


「ああ、いえ……点数が点数なんで再テストなんですが……お二人は数学お得意ですか?」


我ながら、さしでがましいことだなあと思う。

しかしながら、こともあろうことか友人二人はどちらも合格しているのである。

教えてもらおうと思ったが、あっちにもバイトの都合があるわけで……


「すみません、理系はあまり得意ではなくて……」


「体育以外はお断りや!」


ですよね~……


「いや、でも。マスターならいけるかもしれんな」


!?


「そういえばマスターさん、数学得意でしたよね。以前私達もお世話になりました」


へ、へえ~神宮さんがねぇ~。

なんか嫌な予感する……


「よっしゃ、如月! マスターに教えてもらえ!」


嫌な予感的中!


「な、なんでそうなるんですか!」


「マスターと親密になれるチャンスやん。めったにないで~」


「数学のテストも合格して、マスターさんとのマンツーマン。一石二鳥じゃないですか」


そうかもしれないけど! けど!

そんなことしたら鼻血出て死んじゃう!


「試しにやってみるんや。物事は実行するのが大事やで!」


「さあさあ、如月さん」


うぇぇぇん!

こうなってしまったら、やることは一つじゃん!

ええいくそ、当たって砕けてやる!

カウンター席を拭いている神宮さんのもとに、私はゆっくり歩いてゆく。


「神宮さん」


私が呼ぶと、彼はふいっと振り返った。


「なんだ、水瀬」


「神宮さんって、数学お得意ですか?」


「まあ……それなりにできるけど」


「あの……私に数学教えてくれないでしょうか!?」


私が言った、その時だった!


「王様~! 数学の小テストがさんざんで再テストしなくちゃいけなくなっちゃったよ~! だから教えて~!」


と、輝流さんが神宮さんに抱きついてきたのは!

私の中で、衝撃が走る。

こ、これは……まさかのB……


「こんのKY野郎!」


はっと我に返ったのは、美宇さんによる足蹴りの音だった。

それは見事輝流さんにヒットし、痛そうに顔をゆがませた。


「いったいなあ。何すんの、ミュウミュウ」


「お前が悪いんやろうが! ええとこに邪魔しおって!」


「まあまあ二人とも」


ポカーンと見つめる私は何も言えず、ただ立ち尽くす。

神宮さんはため息をつきながら頭を抱えると、呆れた声を放ち……


「あーもーめんどくせぇ。今度の日曜、俺の家で勉強会でもするか? どうせ宿題とかも終わってねぇんだろ?」


私達に提案を……ってえぇぇぇ!?

水瀬如月、夏休み終盤にて大チャンス到来です!


(つづく!!)

ちなみに如月には友達がいたのですが

話を進めるうちにいらなくね? となりいなくなっております。

なので決して友達がいないというわけではなく・・・


次回、神宮さんの家に突撃!

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