表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/26

特別メニューですよっ

新メニューがパフェに決まり、無事に完成!

と同時にやってきたのは、背高のっぽのふりょ・・・常連客で・・・?


尾上さんとかいう人は、私を見下ろしながらふっと目線をそらす。

私はもう、何がなんだか分からなくなっていた。

この人が常連客の上に、輝流さんの友達だって?

この身長差はとてもじゃないが二年上とは思えないぞ?

もっとも、私の身長が低すぎるのが悪いんだが……


「よぅ、尾上。日曜なのにわりぃな、呼び出したりして」


「……別に……。マスターの頼みなら、仕方ないので……」


会話からすると、神宮さんとも仲がよさそうに見える。

こういうヤンキーっぽい人がここに通っていると、周りのお客さんを怖がらせちゃうんじゃ……


「いや~終業式ぶりだね~。メール飛ばしたらすぐ来るとか、暇人?」


「うるせぇ、お前にだけは言われたくねぇ」


「ひどいなぁ、チューンは」


チューンと聞いて、ピンと来る人はあまりいないだろう。

輝流さんがつけるニックネームは変わってるのが多いけど、彼のは名前のどことも一致しない。


「あの……チューンって?」


「ああ、こいつのニックネームだよ。魁皇って名前だから海王星を英語にしたの。海王星ってネプチューンっていうでしょ? だからチューン」


まず、英語に直す意図が分からないのだが……。


「んで? 料理はどこだ? どうせ試食に呼ばれたんだろ」


「あ、分かっちゃった? その通り~今回はパフェだよ~!」


もしかして、パフェの試食に来てもらったのかな?

どうせって言ってる時点で、今回が初めてではないんだろうな。

輝流さんがパフェを指さすと、尾上さんの顔は今まで以上に険しくなった。


「おい輝流。なんだこれは」


「何ってパフェに決まってんじゃん」


「そうじゃなくて……これを俺に食べろってことか……甘いもの苦手だって言わなかったっけなぁ……」


「いたたたたた! ギブギブギブ!」


輝流さんの首元を強い力で締めてみせる。

尾上さんが小さく舌打ちしているのを、何とも楽しそうに見ている美宇さんがにんまり笑った。


「ええや~ん。甘いもんの一つ二つ食うたとこで死にはせぇへんって」


「人を殺す気か、お前は」


「天衣がせっかく作ったのに、食わんのか~?」


美宇さんがそういうと、彼の目線は天衣さんにうつる。

彼女はパフェを手に持ちながら、いつもの笑みを浮かべた。


「尾上さんが甘いもの苦手と聞いていたので、甘さ控えめにしてます。試食に毎回来てくれるのは尾上さんくらいなので」


「………」


尾上さんはしばらく黙ってしまった。

だがすぐにふっか~いため息をつき、そのパフェを取った。


「はいはい、食えばいいんだろ…………ん、確かにあんまり甘くはねぇな」


「それはよかったです~尾上さんだけの特別メニューですよっ」


「無駄な気使わせて悪かったな。サンキュー」


尾上さんの顔が、心なしか明るくなった気がした。

あれ? 思ってたよりいい人、なのかも……?


「んじゃ、俺帰る」


「えっ!? もうですか?」


「もうちょいいてもええやん。せっかく来たのに水臭いで」


「雨ひどくならないうちに帰りたいんだよ」


そういいながら喫茶店のドアを閉める。

するとなぜか急に、外の雨がひどく降り荒れた。

しばらくして尾上さんはびしょびしょになって、帰ってきた。


「帰れなくなった……」


「チューンって雨男だったっけ?」


「マスター、天気予報だしてぇな~」


テレビに映されたのは、まぎれもなくひどい台風情報。

まさかとは思ったが、ここ直撃してる!

こ、これは! 自転車で帰れん!

つうか電車とか絶対止まってるでしょ、みんなどうするんだ!?


「仕方ねぇ……お前ら全員、ここ泊まってけ」


!!!!??


「ちょ、マジで王様!? いいの!?」


「ああ。この喫茶店、前のマスターが住んでた家だったから整備整ってるんだ」


「いやだからって! 男女一緒に屋根の下とか嫌やわ!」


「男女別にすれば問題ねぇだろ。それにこの雨の中、どう帰るんだ?」


た、確かに……。

私は気まずくなって隣にいる二人の先輩を見る。

天衣さんは苦笑いし、美宇さんは舌打ち交じりで私を見つめ返す。


「……お……お願いします……神宮さん……」


かくして喫茶店メンバーによる一夏の夜が、今幕を開けたのだった。


(つづく!)

先日ものすごい久しぶりに体を動かしたら

めちゃくちゃ動けませんでした。

翌日には体痛いし・・・はあ、つらいですね。


次回、まさかの合宿?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ