なんでも雑巾で拭いたらあかんで?
ルナティックハウスのプチ情報を知ったかわりに
なぜか大掃除をすることに・・・
「王様ってほんっと意味不明だよね~いきなり大掃除なんてさ~」
不満げな声を上げながら、輝流さんは雑巾を洗おうと取り出した。
神宮さんいわく、プラネタリウムを見せたかわりに大掃除をしろとのこと。
最近あまり掃除をしていなかったのか、前々から企画されていたらしい。
だからって掃除はなぁ……
私はというと、現在雑巾生地のタオルで窓を拭いている。
正直なことを言うと、私は掃除が嫌いである。
正確に言うならば、大がつくほど嫌いだ。
机の上は教科書やらの山だし、引き出しの中は中学時からのテスト用紙でいっぱいだ。
こういうところだけはなおそうにもなおせないんだよなぁ。
「ちょいま~ち、如月。お前、なんで雑巾なんかで窓拭いとるん?」
いきなり後ろから声をかけられ、パッと振り向く。
そこには制服の上にエプロン、頭に三角巾を付けた美宇さんがいた。
「なんでって……窓を拭いてと言われたので……」
「あんた、今までどんな掃除の仕方してたん? そんなんやったらガラスが傷ついてしまうがな。窓は少し濡らした新聞紙で拭くんや! やってみ?」
言われるがまま、私は新聞紙を受け取りそれで窓を拭いてみる。
するとあら不思議! みるみるうちに汚れが取れていくではあ~りませんか!
「す、すごいです。前よりキレイになりました!」
「せやろ? なんでも雑巾で拭いたらあかんで?」
うわぁ、なんかかっこい!
私が彼女を見ていると、フフッと笑いながら天衣さんが寄ってきた。
「かっこいいでしょう、美宇ちゃん」
「はい。掃除のやり方とか詳しいんですね」
「彼女、ああ見えて極度な潔癖症なんです。現にエプロンなどを付けているでしょう?」
なるほど、確かに!
「ただ潔癖症すぎて、輝流さんと衝突するのがタマに傷ですけど……」
え?
「こら、リュウ! ここまだ埃残っとるやん! ちゃんと隅々まで拭けや!」
「このくらいいいじゃ~ん、ミュウミュウ細かすぎ」
「よくない! 拭き直しや!」
「え~んじゃかわりにやって~」
天衣さんの言ったとおりだ。
あんなに適当な輝流さんが、まじめに掃除をするとは思えないしね。
おおっ、怖っ。私もまじめに掃除しよっと。
「誰か手の空いた奴いねぇか? 皿運ぶの手伝え」
「あ、はい! 私が行きます! すみません如月さん、これお願いします!」
先こされた……私が行こうと思ったのに……
「これをあの棚な。転ぶなよ」
「はい! 頑張ります!」
なんとも危なげに何枚も重ねた皿を持ち上げる。
ふらふらしながら、慎重に天衣さんはは歩いていく。
……が。
彼女の足が、段差にぶつかった。
「危ない!」
私の叫びが喫茶店内に響く。
落ちそうになった皿は間一髪のところで、輝流さんによって割れずにすんだ。
天衣さんは美宇さんのおかげで、なんとか抱きとめられている。
「気ぃつけぇなあ、天衣。その体質ええ加減なおしぃ」
「ふえぇぇぇぇ……すみません……」
「いいじゃん、割れなかったんだからさ~。これ直しとくね~」
見てるこっちがハラハラしてしまった。
この三人といると、どっと疲れるなぁ……
「ったく、桜庭にやらせたのが間違いだったな」
うおっ!? びっくりした!
いつの間にか後ろには神宮さんがいた。
彼は参ったように頭を抱え、はあっとため息をついた。
「あいつはちょっとしたドジっ子体質でな。今度からは皿運びはお前がやれ」
「あ、はい。分かりました」
「お前みたいなまともな奴が入ってくれてよかった。サンキュー、水瀬」
ぐはあっ!!!
な、な、何ですかその笑みはああああ!
ああ、だめ……頭に血が……
「っておい、水瀬!? 大丈夫か?!」
「た、大変です~! 如月さんが倒れました~!」
「救急車呼ぶわ! 110番? あれ、何番やったっけ?!」
「にがっちゃ~ん、聞こえる~? もっしも~し」
水瀬如月、暑さと神宮さんのかっこよさに撃沈……
(つづく・・・)
作中にもあるように、私は掃除が嫌いです。
色々なものが常に山済みでおいてあるって感じで、
物だらけの狭い中で何かするのに慣れすぎてよく怒られます。
美宇ちゃん、一家に一台ほしいですね。
次回、ルナティックハウス一新計画?




