ここで働かせてもらえませんか!?
「あー……失敗……」
春の昼下がり。桜の木の下で私はそう言いながら、ページをバックの中に破り捨てる。
バックにつめた紙くずを見つめながら、私はため息をついた。
吹いてくる風がうっとおしい。余計に思考が妨げられる。
私―水瀬如月は大学に通う十八歳だ。
現在文芸部として活動しており、ただいまネタの捜索のために外出中だ。
しかし……
「なんか物足りないのよね~ハプニングとかが少ないかな~? ネタ集め真剣にやってる?」
この前、先生に言われた言葉。
なんだよ、私の気持ち全然知らないくせに。
言われなくとも、必死にネタ集めしてるっつうの。
話を作るのは好きだ。本の世界に入ると、とても楽しくなる。
小さい頃から漫画家だの小説家だのが夢と、口癖のように言っていた。
だが、そんな私に親から出た言葉は一つ。
「そんなので食っていけるわけないでしょ。現実みなさい」
あ~これだから最近の大人は。お金のことしか頭にないんだから。
ただ、働いて適当なお金もらっとけばいいってこと?
それじゃ意味ないじゃん。全然面白みも何もない。
あ、あれか。子の心親知らずってやつ?
だから私はやめることをせず、野望と称して続けてきた。
やりたいことをやって私は生きていきたいんだから。
文芸部小説コンテスト。
これに出して賞を取れば、小説家の一歩を踏み出せる。
そのために今日も今日とてネタを探し放浪しているわけだが……
浮かばない! 浮かぶわけがない!
そもそもどうやればネタが降ってくるのだ?!
嫌いだ! ネタ探しなんて!
すると一つの店が視界に入った。
その店の名はルナティックハウス。
どうせネタなんか振ってこないんだし、息抜きがてら行ってみますか。
そんなことを考えながら、ドアをゆっくり開けた。
ドアを開け、木の独特なにおいが香る。
まるで森の中にいる、すがすがしい感じだった。
仲は思った以上に広くて、ジャズか何かの音楽が流れている。
「いらっしゃいませ~こちらの席へどうぞ~」
そこにかわいらしい制服を着た一人の少女が、私をカウンターへと案内した。
正直、喫茶店に来たのは初めてだ。
なんだか落ち着かなくて、座りながらそわそわする。
すると、その時だった。
「ご注文は何に致しますか?」
聞こえてきたその声に、パッと顔を上げた。
う、嘘でしょ!? まさか、まさか……
あああああああきお様!?
説明しよう! あきお様とは私がこよなく愛するアニメに出てくる、超イケメンなかなりタイプなキャラクターなのだ!
なんともあろうことか私の目の前にいる人は、声も見た目もあきお様そのものじゃありませんか!
やばい、これは運命を感じざるを終えない!
「あの……どうかしましたか?」
あ、しまった! ついみとれて!
「えっと、じゃあ当店一番のメニューで」
「こちらの品になりますが、よろしいですか?」
「あ、はい」
「かしこまりました」
そう言って作業しだす姿が、たまらなくかっこよかった。
これは夢? それとも幻?
ふと周りを見ると近くのポスターが目につく。
そこにはでかく「アルバイト募集」と書いてある。
こ、これは大チャンス到来!
「あのっ!」
「はい?」
「ここで働かせてもらえませんか!?」
私の挑戦はここから始まるー!
(つづく!)
というわけで、美しく天に輝く明月の皇子・・・長いですね。
略してしくにくの、とでも呼んでください。もはや何の作品かわかりませんね笑
今回も学生でありつつ、バイトもの
そして恋愛です。
以前何かしらの形で投稿したものを、大幅に変えての挑戦になります。
皆さんに気に入ってもらえるよう、頑張ります!




