表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

よくあるおはなし

作者: わかな

あの人とは、近い場所にいたのかもしれない。距離とか関係なしに、心のどこかで。


ありきたりな話さ。もともと知り合いで話も合って、感性も合って、ってね。すぐに親友的な存在になった。ー少なくとも私のなかでは。


男と女だが、あの人とはずっと続ける関係でいたかった。恋愛よりも、友情で結ばれた関係の方が、私にとっては都合がよかった。いつまでも悪友のようなやりあいを、言い合いをしていたかった。



あの人は、自分を卑下するわりにはとても魅力的な内面を持っていたと思う。惹かれるのも時間の問題だった。




よくあの人とこの会話をくりかえした。


「もう、結婚しようか」


「いいよ、30になって誰もいなかったらもらってあげる」




私たちにとっては軽口で済ませられたような何気もない会話。


しかし、だんだんあの人がもっと近くに欲しくなってしまった。好きになってしまった。会話に出てしまっていたのだろうか、はたまたあの人が私との会話に飽きたのだろうか、連絡がとれなくなった。


ーある日なにげなしにあの人のSNSのページをみてみた。大切な子がいたみたいだ。苦しかった。あの人と話せる時間が自分の癒しだった。多分それも無理だろう。


自分では動けなかったくせに、それでも苦しいなんて悲しいなんて本当にどうかしてる。そういうくらい、私にとってはかけがえのない存在だった。




でも、私は意気地無しで、意地っ張りで、弱虫だから。“その子のほうがきっとあの人を応援して、近くで支えてあげられる”



もしあの人に伝えることがあるとするならば、


案外貴方は魅力的だ。貴方とした会話はとても楽しくて嬉しくて勇気をもらった。そんな貴方に感謝と友情と愛情を込めて。これから貴方が幸せになる呪いかけといたから。










…私も幸せになりたいわ。一人は嫌なの。誰かここから連れ出して。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ