表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

 幼い頃から好奇心旺盛で天真爛漫だった古暮明日香(こぐれあすか)は、隣の家に住んでいる幼馴染みの島一樹(しまいつき)のことが大好きだった。

 生まれた時からベッドは隣同士で、親同士も交流が深く、何をするにも常に一緒。

 その当時明日香は、「わたしと一樹は、これからもこの先も、ずっと一緒に過ごすんだ」と日々思っていた。



「一樹、わたし達これからもずっと一緒に居ようね!」



 小学校の卒業式。

 泣きながら別れを惜しんでいる同級生達をよそに、明日香は満面の笑みを一樹に向けた。

 明日香にとって、小学校の卒業式はさほど悲しいものでは無かった。

 これからも一樹と一緒に居られるのなら、ちっとも悲しく無い。

 仲の良かった同性の友達が遠くに行ってしまうことなど、別にどうだって良かったのだ。


 だがいつもは太陽のように眩しい笑顔を浮かべる彼は、少しだけ暗い笑みを返した。

 他の人ならば見落としてしまう微妙な変化だが、明日香は目ざとく気づき首を傾げる。



「あすか。オレ、明日引っ越すんだ」

「……え?」

「今まで黙っててごめん。でも、その日までが楽しくなくなるかと思って」



 衝撃な言葉に、明日香の頭は真っ白になった。

 それは残酷な優しさのせいで訪れた、突然の別れ。

 当たり前だと思っていた日常に訪れた、悲しい崩壊だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ