始まり
21才から事務員(正社員)として、約2年間働いた。
色々あって、やめた。
それから半年間、失業保険をもらいながら休んだ。
休み初めは、ホットした気分になったが、
半年も続くと、親もうるさくなってきた。
自分でも、「働かないとなぁ」とは思っていたが、
ただゆっくりと過ごせる生活を手放すのも惜しかった。
しかし、半年間との親の約束もあって、
とりあえず派遣会社に登録してみた。
すると、2日後には仕事の紹介がきた。
1つ目は、営業事務。主に受発注の仕事だった。
2つ目は、検査作業。検査作業といっても、
工場のラインで働くのではなく、
社内でPCを使いながら、製品の検査をする仕事だった。
普通の事務とは少し仕事内容が違うという程度のものだ。
その仕事を受けてみることにした。
数日後、派遣会社から電話がかかってきた。
「社内選考で選ばれましたので、面接を受けに行きましょう」と。
初めて知った。派遣会社内でも選考があるとは!
まぁ、考えてみればそれもそうかと思う。
何人かに声をかけて、その中から数人を選ぶのだろう。
後で分かったことだが、派遣先の会社に何人かの情報
(性別、年齢、職歴等)名前などの情報以外を送って、
相手先が面接したいと思う人を選考し、選考された人に
派遣会社が連絡をとり、面接するようになっていた。
いざ、面接!面接なんて、2年半ぶり。
かなりの緊張。私はよく話をする方だが、面接となると・・・
その上、バカ正直らしく、上手に自分を表現できない。
履歴書を書く時も、かなり悩んだ。
特に長所・短所欄。短所はかけるが、長所が書けない。
「あれ、みんなどうやって書いている?」
と聞きたいぐらいだ。
ともあれ、面接をしてみた。
最初に、隣にいた派遣会社の営業マンが私を紹介してくれた。
それからは、営業マンは黙ってニコニコしながら相づちをうつだけ。
何を質問されたか覚えていないくらい、私は緊張していた。
そうなると、口も動かなくなる。
舌を噛んでしまうし、シドロモドロ。
その内、シーンと沈黙が・・・
「営業マン、助けてくれ〜!!」とせつに願っても
営業マンは笑顔はくれるが、会話はくれなかった・・・
焦った私は、自らの話を始めた。
詳しくは覚えていないが、家族の話やら、自分がどれほどドジなのかとか・・・
普通なら言ってはいけないであろう事を言っていた。
そんなこんなで、面接終了。
「ありがとうございました。」と頭を下げて部屋を出た途端、
「あはっっっ!!!ひーっ!!」と大きな笑い声が、出て来た部屋から聞こえてくる。
「あーっ。落ちたな・・・」と。
家へ帰るバスの中、落ち込んでいた気持ちから、腹が立つ気持ちがわいてきた。
「あんなに、笑わなくてもいいやん!!腹立つわ〜っ。落ちてもええわ、あの会社!」
数字後。派遣会社から電話がかかってきた。
「採用となりましたので、来月から来て頂きたいとのことなんですが、大丈夫でしょうか?」
へっ???受かったの?なんでぇ?
「あっ、はい。大丈夫です。」
「では、来月からの出社となりますので。初日は担当の営業もついていきますから。」
「はい。わかりました。よろしくお願いします。」
落ちたものだと思いこんでいたのに・・・
変なものだ。あれほど腹を立てていたのに、受かったとなると
ルンルン♪と気分が乗ってきて、顔がニヤついている。
「来月から、派遣Lifeか〜」




