一期一会
人間は、その人生の間にどれだけの人と出逢えるのだろう…?
その中には一瞬の出逢いもあるし
長い時間を共に過ごす出逢いもある
例えば、電車に乗ってみる
私は偶然乗ったその電車で
偶然その車両に乗り合わせた人達と
一定の空間と時間を共有している
だからどうと言うこともない
忘れてしまうことだけど
その時確かに私はその人達に出逢っていた
そんな事実があるだけ
名前も知らない
性別も年齢もバラバラな人達と
私を乗せた電車が進む
目的地に着く、電車を降りる
何人か私と一緒に降りる人もいる
降りる駅は一緒でも
向かう場所は違う人達
まだ電車に乗っている人達は何処へ向かうんだろう?
分からない、分からないけれど
それぞれに目的があることは分かる。
そうこうしているうちにその人達の顔も、もう忘れた
私は私の目的の為に改札へと歩く
改札を抜けると貴方が私に手を振るから
それに答えるように私の足音が速まった
どうして、沢山いる人達の中で
本当に逢いたい人はたった1人なんだろう…