友達
男というのは、くだらないものだ…
好きな人が出来ると、何振り構わず、告白してくる。
ほらっ、今だってそう。
たった今、私に告白している。
フラれるとわかっているのに…
私名は坂井友香。高校2年生の17歳だ。
誕生日は5月の5日。
苦手な科目はは… なし
趣味は本を読むこと。
自分で言うのもなんだが、
顔立ちは親譲りで文句無しに整っている。
自分の事を話すのはのは苦手だ。
喋るのが苦手…っと言うわけではないが、ただ、皆話しかけて来ないのだ。
幼い頃からずっとそうだった。
だから慣れっこだ。
話は戻って
たった今告白された。
「あっ…あのッ!ぼっ僕…ゆっ友香さんの事が…すぅっ好きです!!」
「……ゴメンナサイ。私あなたの事そういう風には見れないの…本当にゴメンナサイ…でも、友達でいてくれないかしら…?」
「もっ勿論です!!告白聞いてくれただけで、満足だったのに、そんな…勿体無いくらいです!…じゃっじゃあ失礼しますぅっ!」
はぁ…友香は小さくため息をついた。
なんだか、とっても疲れたわ…
次の授業は、もぅ…いいか…
友香が通う学校は東西南北と校舎が4つに別れていて、
西棟以外は学生の教室や理科室、音楽室など、よく使われる教室が集まっていた。
しかし、西棟は倉庫のような部屋が沢山並んでいる。
5つあるうちの、3つ目の倉庫は特に使われておらず、友香はいつもそこでサボっていた。
授業をサボっていても先生たちは何も言わなかった。
いるかいないかなど確かめたところで、友香はあまり発言をしない生徒なので、気づかれることはなかった。
いつものように扉を開ける。
ガラ〜ッ
「…」
あれ?いつもと違う。
誰かがいる。
「…誰?」
……いやいやいやこっちのセリフなんですけど?!
そんな言葉も出すに出せずに口を開けて驚いていると、さらに問いを投げかけられた。
「誰って聞いてるんだけど?」
問いかけられた質問に答えず、顔が見えないために近寄って行った。そこには地毛であろう金髪の頭に、耳にピアスを開けた、男が座っていた。
なんてチャラい男っ!
男がみえた瞬間、第一印象がこれ↑
「ねぇ?誰?…」
再度聞かれたその質問に、やっと頭の中の整理がつき、答えることができた。
「わっ私は…ゆっ友香…」
「ふぅーん。んで、ここに何し来たの?」
「えっと…ちょっと疲れたから、さっサボりに…」
「へぇ…クスッ」
ハッ!
なに口を滑らせてるの私!
ダメダメっ
友香はそう思いながら頭を振った。
「あぁっ貴方の名前は…なっなぁに?」
「んー?気になる?教えないよー。」
「………」
「……やっぱり教える、俺の名前はね陵介。櫻井陵介…」
「…いい名前ね、…隣いいかしら?私も座りたいの」
「お好きにどうぞ〜」
「…」
隣に座った瞬間いい香りがした。
なんとも言えない懐かしく安心出来る匂い。
窓の外を眺めながら、風が流れるのをただ感じていた。
そっけない言葉をかけたなと思っていたら、
「なんて呼べばいいのかな?友香?友香さん?友香ちゃん?」
彼に笑いながら聞かれた。
「う〜ん…好きなように呼んで構わないわよ。」
「じゃあ友香でいいやっ友香は何組の人?ていうか、何年生?」
「2年6組よ。貴方は?」
「あれ?同じ学年か俺は7組君あまり見かけたことないな…」
「私行きと帰りにしか教室出ないの。普段も本読んでるからあまり目立たないの。きっと。」
「へーそうなんだ…
あっ俺のことは陵介でいいよ。」
「陵介…ね…」
「と、いうことで、…友香!お前を俺の俺の友達1号にしてやる」
窓を向いていた彼はそういう私の方をみてニッと笑った。
さっきまで荒い口調だったのが、少し優しくなった気がした。
よくわからない人…
「どうも。」
「なんだよ、冷たいな〜」
そういってまた笑った。
「私、仲がいい友達なんていないの。だから貴方は私の"お友達1号"ね。」
そういって私も俄に微笑んだ。